あいすくりーむ 58 ページ18
「…あの…」
「…藤ヶ谷…さん?」
店員が、側にいないのを確認してから
持って来た服を彼女に握らせた
太「お願い…着てみて?」
「…でも…」
太「ね?君に似合うと思うんだ…」
「……」
太「ほら?早く帰りたいんだろ?」
「…わかりました、じゃあ…あの、、、」
「一人にして…ください」
.
.
.
太「俺に外に出ろ、って事?」
そうに決まってるし、そうすべきなのも分かってるのに、何だから苛ついて、強い口調になる
「…だって…」
持って来た服は、ニットのノースリーブと、
セットアップのショートパンツ
どう考えても、下着姿を見られてしまう
「…藤ヶ谷さん…」
.
.
太「んー?」
「…あの…どうして、ですか?」
「どうして…こんな…」
.
.
太「何?」
「…こんな…ッ、………」
.
.
ぽろっ…
雨粒みたいな涙が、頬を滑り落ちる
「ふぇ…っ…」
ぽろぽろ…ぽろぽろ…
白い指先が、零れ落ちる涙を掬い取ろうとするけど
涙は、留めなく溢れる
「…いじ….わる、…しないで…ッ」
「ごめんなさい….」
?
「…ごめんなさい、私が….呼び出したから…
わがまま言って呼び出したから、怒ってるんですね」
いや、
そういう訳じゃ…
「…ごめんなさい、藤ヶ谷さんに甘えて…
調子に乗って….ごめんなさい…」
掌で、顔を隠すようにして、ぐしゃぐしゃな顔の
涙を拭きとってる
あーもう、子どもじゃん
「…ごめ….っ、ごめ…ん、っ」
震えてる肩が、堪らなく儚げで
惹きつけられて仕方ない
太「…そんなつもりじゃない、、、」
意地悪なんて…
「…じゃあ、どうして?」
「…どうして…ッ、、、」
太「…俺も….分からない…」
「…え、?」
太「分からない…ただ、、、」
太「悔しくて…」
「…悔し…い?」
やっと視線を上げて、俺を見た彼女
太「Aちゃんが…気になって仕方ない…」
「…藤ヶ谷…さん?」
太「…何でだろう…」
「……」
太「君は…玉の彼女なのに…」
太「どうして、君を抱きしめたいって思うんだろう…」
!
!!
「藤ヶ谷さん!?」
華奢な身体は、すっぽり俺の腕の中に収まった
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作者名:トウコ | 作成日時:2020年6月7日 9時