あいすくりーむ 57 ページ17
太「会計しよ、」
「…….あ、…は、い」
ベビードールなんて、いらない
必要なら、玉が買えばいい
結局、買ったものと言えば
俺好みの紺色の下着一式
「…あの、お金…なら、持ってますから…」
太「大丈夫、いらない」
だって、これは俺好みだから
「…でも、」
太「男に恥かかせないで」
つい強い口調になった
「….あ、」
「ごめんなさい…」
出しかけた財布を、握りしめ、肩を竦めた君
まるで、叱られた子どもみたい、今にも泣き出しそう
太「ごめん、ごめん」
太「…言い方、キツかったよね、ごめん」
「…いえ、私が…ッ」
やば、泣き出しそう
慌てて、店を出て彼女を後部座席に座らせた
「…迷惑かけて…ごめんなさい…」
太「いや、俺こそ…悪かったね」
つい、ムキになっちゃった
お詫びの印に
太「もう一軒寄ってもいいかな？」
「…ぇ、」
不安そうな顔だね
自分から俺を呼び出したくせに、もう帰りたいの？
玉んとこに、帰りたいの？
太「すぐだよ、、、ほら、もう着いた」
「…？」
太「行きつけのセレクトショップなんだ」
最近は、ハイブランドが多いけど
チェック柄とか、俺の好きなアイテム取り寄せて
くれて、結構気に入ってる
「…？」
太「服、買ってあげるよ、」
「…え？」
太「あいすくりーむ、ついちゃったし…」
.
.
「…あの…」
「…もう、大丈夫です…服はいらないです」
？
「そんな事して貰う理由ないので」
ふわふわした、今時の子だと思ってたのに
意外と硬いんだな
「…あの、もうここで…」
「一人で帰れます…」
太「そんな事言わないで、ね？」
後ろのドアを開けて、彼女の手を引いた
「….あの、本当にもう…」
及び腰になってる君
太「いいから…」
太「こんな所で、時間取らせないで…」
裏通りとは言え、人の流れは多い時間帯だ
肩を抱くようにして、店に入ると、すぐに
店長が声を掛けてきた
店内には、2、3組の先客がいる
目配せして、店の奥へ
太「待ってて」
いつも、自分が服を試着する個室の椅子に座らせると直ぐに、店内を見廻し、いくつか服を手に取った
彼女に似合いそうな服
彼女に来て欲しい服
俺好みの服
太「これ、試着してみてよ…」
「？」
太「ここで、着替えてみてよ」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2020年6月7日 9時
