幻夢（仮題）短編集 3

あいすくりーむ　53 ページ13

太「泣かないで…はい、」

ハンカチを渡した





「……は、い…」





ゴシゴシ

へ？



俺は、涙を拭いて欲しかったんだけどー

君が拭いたのは…服だね？

あいすくりーむだね？






「あー！！やだっ！ごめんなさい！ごめんなさい」


服と同じシミが、ハンカチにも



(T-T)





.





.





.






「…ごめんなさい…ごめん…なさ…い、ッ」




あー

もう…涙でぐしゃぐしゃじゃん







赤ちゃんみたいだな


ほんと

自由で、思ってることに正直で、素直で

玉の為に必死なんだね






可愛いな





玉は…幸せだな





こんなに想われて…

羨ましいよ






太「俺の知り合いの店で良ければ…案内するよ」





「…え、」





太「服も…変えなきゃ」



そのままじゃ、帰れないでしょ






太「だから…もう、泣かないで…」



運転席から手を伸ばして、まだ涙が乾いてない
Aちゃんの頭をポンポンした






「藤ヶ谷…さん…」







太「行くぞ」

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