雫。3 & 短編(12/11〜)

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「…いいの…私で？」




裕「勿論だろ？」






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「貴方を苦しめたのに…」



裕「この三年間、Aのいなかった時の辛さに比べたら何でもない」









裕「俺は…今も君を愛してる」






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裕「あの頃よりずっと…君を愛してるよ…」






裕「Aは？」







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「…私…」






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「…私は…」







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「…私も…貴方を忘れたことなんてない」






忘れようとして

忘れたくて


でも、出来なくて

ずっと…ずっと…貴方が心の中にいた







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裕「やり直そう」







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「でも….やっぱり…ダメだよ…」






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裕「ね、Aと出逢った頃
俺が出た映画覚えてる？」






覚えてる…パラレルラブストーリー

だって、私と裕太と藤ヶ谷さん
まさにあの映画の中と同じだった








裕「全ての記憶を消しても…2人はまた出逢った…」






そう、渋谷のスクランブル交差点で








裕「俺たちもまた…」






裕「全ての、過去を消して、また、愛し合うんだ…」







裕太…






裕「運命なんだよ…」








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裕「手…」





？




私の左手を取ると少しだけ歪んだ顔




「….水仕事だから…荒れちゃって…」





「…おばさんの手でしょ？」







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裕「そんな事…ないよ、」





そう言うと裕太は、右手の小指から光るものを外した




それ…って







裕「サイズぴったりでさ、ずっと…つけてた…」






薬指には、ペアのリング

そして…





裕「はい…」






あの日軽井沢の教会の結婚式と同じように
私の薬指に入っていくリング








裕「初めまして、七瀬さん」






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「…初めまして…」







「…玉森…さん、」







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裕「これから…よろしく」



ふにゃんと笑った裕太






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最後の記憶

別れの日の裕太の泣き顔






ずっと焼きついていた泣き顔が、いつもの笑顔に
変わった瞬間だった






end

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