雫。7 ページ41
約束の場所、約束の時間に
噂通り黒い高級車が滑り込む
太「乗って…」
「あ、…はい」
黒いサングラスの藤ヶ谷さんが、バックミラーを
覗いてる
太「時間、大丈夫？」
門限は9時
今日はパパがいるから必ずその時間には
帰らなきゃいけない
「…あ、の…」
太「スマホのお礼したかったんだけど…」
「…ううん、大丈夫、大丈夫です」
太「無理しなくていいよ、笑」
「……」
折角、藤ヶ谷さんと一緒になれたのに
もっと側にいたいのに
太「あのさ、月見ない？」
「…え、？」
太「今日さ、三日月綺麗なんだよ、」
三日月が….綺麗？
太「満月より、三日月が好きなんだ…」
走り出した車が、都心の喧騒を抜けて
海沿いの公園へ
太「来て、ほら…」
「……はい、」
太「見て…」
遠くに波の音が聞こえて、空を見上げると
細く細く…儚く…白く光る三日月
「……わぁ、……」
綺麗…その言葉が、軽く嘘っぽく聞こえそうで
言えなかった
太「綺麗でしょ？」
「…はい、」
太「あの儚さが….堪らなく好きでさ…」
太「何をやっても満たされない、俺にぴったり」
「…？」
藤ヶ谷さんは…幸せじゃないの？
何もかも手に入れたんじゃないの？
太「ごめん、何でだろ、こんな話…」
「…藤ヶ谷さん、哀しい顔してる…」
太「……」
「…泣きそうな顔してる…」
太「そう…？」
「……はい、」
凄く哀しい顔…
誰かを欲して手に入れられなくて…満たされない心
太「君が満たしてくれる？」
え…
太「俺が、アイドルって知ってて…
上着にスマホがあるって気づいてて、俺と再会するようにしむけたんでしょ？」
「…！」
太「ふ、」
？
太「図星？」
太「本当は、雨宿りも計画的？」
「…ちが、っ」
太「そんなことどうでもいいか、笑」
「藤ヶ谷…さん？」
どうしたの？まるで別人みたい…
太「まずは、スマホ返して…」
「…あ、…」
鞄から出したスマホを乱暴に取り上げた藤ヶ谷さん
太「速攻、解約しなきゃ」
…え？
太「信じられる訳ないでしょ？他人なんて…」
…藤ヶ谷…さん
太「いや、他人だけじゃない…
みんな…そう、愛した人だって…信じられるもんか」
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りさ - そうですね(*^▽^*)紅白楽しみですね (2019年11月16日 2時) (
レス) id: 633db925ae (このIDを非表示/違反報告)
トウコ(プロフ) - りささん» 本当ですぅ〜。笑。祝！紅白ですね^_^ (2019年11月15日 5時) (レス) id: 766bda6b5d (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 私も長くなる予感がします(≧▽≦) (2019年11月15日 0時) (レス) id: 633db925ae (このIDを非表示/違反報告)
トウコ(プロフ) - ちょこさん» 挨拶なんて…気にしないでくださいね。コメント頂けて凄く嬉しいです^_^暗くて重い話ばかりですが、楽しんで頂けてるみたいで良かったです。少ししか更新出来なくてごめんなさいです。あ、でもキスマイ紅白決まりましたね(*´-`) (2019年11月14日 20時) (レス) id: 766bda6b5d (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - こんばんは！ごめんなさい。初めましてです。挨拶なくいきなりコメントごめんなさい。今朝、更新していただきありがとうございました。トウコさんの小説大好きです。本当にありがとうございます。 (2019年11月14日 19時) (レス) id: eb27eea20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トウコ
| 作成日時：2019年10月27日 7時
