雫。2 ページ36
今では、パリコレのモデル
そして、売れっ子女優になった木村さんの娘さん
彼女の若い頃みたいなスタイルに
誰がどう見ても正統派の美人顔
だから、あの雨の日
まさか中学生だなんて思いもしなかった
大学生？
いや、社会人？
漂う大人っぽい雰囲気に、俺は騙され、
オトナの女性だと思い込んだ
＊
弱まる何処か、ますます強くなる雨
歩道を流れ始めた雨水
「やみそうにないですね、」って
ふにゃんと笑った君は、冷えた自分の身体を抱きしめた
その時、トクン…胸が弾けた
懐かしいような…日常のような不思議な感覚
これ、って…
いつかと同じ
.
.
くしゅん！
彼女の見た目に似つかわしくない幼いくしゃみで
不思議な感覚は、あっという間に消え去った
太「風邪ひいちゃうね」
俺は、羽織ってたチェック柄の上着を
彼女の肩にかけた
「…、え…あの、」
太「いいよ、あげる…」
「…！？」
「…ダメです、きっと高価な物ですよね」
太「大丈夫、もう長く着た」
「…でも、」
カラン
店のドアが開いのは、その時だった
「傘、使いますか？」
太「え、…」
「…一本しかないけど」
どうやら、店員は俺と彼女が恋人同士だと
思ったようだった
目の前に差し出された傘
雨は、容赦なく店の中まで降り込んでる
断るのも忍びない、
いや寧ろ、軒先に立たれるが迷惑なのかも知れない
そう思った俺は、安っぽいビニール傘を受け取った
太「じゃあ、お借りします」
出来るだけ早く、この軒先から
離れなきゃ、そう思って彼女に声をかけた
太「雨宿りはおしまいだね、」
太「タクシー拾える所まで、一緒にいこう…」
「……」
太「ね？」
.
.
「…はい、」
全てを察したように彼女が頷いた
とは言っても、土砂降りの雨は小さなビニール傘で
凌げるような雨じゃない
太「側に来て」
彼女の肩を抱いた
「…！」
太「濡れちゃうよ」
そう言って、小さな傘の大部分を彼女に差し出した
「…でも、それじゃ藤ヶ谷さんが…」
え？
太「気づいてたの？」
「……は、い…」
太「そっか…」
「あ、でも、絶対呟いたりしませんから…」
笑
太「ありがとう」
丁度その時、目の前にタクシーが停まった
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りさ - そうですね(*^▽^*)紅白楽しみですね (2019年11月16日 2時) (
レス) id: 633db925ae (このIDを非表示/違反報告)
トウコ(プロフ) - りささん» 本当ですぅ〜。笑。祝！紅白ですね^_^ (2019年11月15日 5時) (レス) id: 766bda6b5d (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 私も長くなる予感がします(≧▽≦) (2019年11月15日 0時) (レス) id: 633db925ae (このIDを非表示/違反報告)
トウコ(プロフ) - ちょこさん» 挨拶なんて…気にしないでくださいね。コメント頂けて凄く嬉しいです^_^暗くて重い話ばかりですが、楽しんで頂けてるみたいで良かったです。少ししか更新出来なくてごめんなさいです。あ、でもキスマイ紅白決まりましたね(*´-`) (2019年11月14日 20時) (レス) id: 766bda6b5d (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - こんばんは！ごめんなさい。初めましてです。挨拶なくいきなりコメントごめんなさい。今朝、更新していただきありがとうございました。トウコさんの小説大好きです。本当にありがとうございます。 (2019年11月14日 19時) (レス) id: eb27eea20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トウコ
| 作成日時：2019年10月27日 7時
