哀しいkiss 4

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裕太side


裕「いいの？」






「…ん、」






ベッドの横に立ち、Aの肩を抱いた




裕「じゃ、寝よっか…」






「…ん、」





これまで、ずっとそうしてたように奥にA、そして…手前に俺




裕「掛物かけるよ」



二人して仰向けになって、掛物をかけると柔らかな感触が二人を包む






「…玉森さん…」






裕「ん？」




天井を見上げて話し始める




「……」






裕「どうしたの？」






「…ん、と…」







裕「ん？」







「こっち向いて…」






裕「え、」






「玉森さん…」





俺の方に身体を向け、両手を綺麗に揃えて胸につけたA







「思い出したいの…」





「だから…」








裕「….わかった…」







身体を向き直して…Aと向かい合う





こんな風に何度も向き合って眠った






でも…



Aの心の中には、
半年の間ずっと…ガヤがいた


身体を重ねていても、決して心は一つになれなくて二人の間にはガヤがいた








君は、俺の腕に抱かれながら
それも思い出すの？





それとも…







「玉森さん…？」




君が、俺の腕の中を望む


全てを思い出す為に…








裕「ん…」





裕「おいで…」

布団の下で両手を広げた





「…ん、」





コトン、頭が胸に落ちた



ふわり、髪から同じシャンプーの香り
色んな邪念が吹き飛んでいく






裕「A…」






ゆっくり目を閉じて、ゆっくり息を吸い込む

そして…腕の中にある身体を抱きしめた






裕「好きだよ…」






裕「ずっと、好きだよ…」






「…玉森…さ、ん」



胸の辺りから君の声がする

幸せな時






裕「好きだ…」






.







.






A…大好き





ずっと側にいて

俺の側にいて







ガヤのこと

思い出さないで





ガヤとのこと

思い出さないで






A

お願い…




そう願いながら
俺は指先に、力を込めた

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