哀しいkiss 4

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裕太side

Aは

俺の話をただ黙って聞いていた





表情を変えたのは、瞳だけ


時に光を帯び、水を纏い…そして、虚ろに…

瞳だけはその心は読み取れない程に、微かな変化







俺の拙い言葉でうまく伝わっただろうか…

でも、嘘はついてない
ただの一つも嘘はついてない





.







.






.






.








「…玉森…さん…」





裕「……？」







「本当のことを話してくれてありがとう…」





裕「A…」





「ありがとう…」




その瞳に表情はない




裕「大丈夫？」

きっとショック受けてるよね…
俺のこと怒ってるよね？
嫌いになったよね？






「…ん、」






「教えてくれてありがとう…」






裕「何か…言うこと…ないの？」






裕「知りたいこととか、聴きたいこととか…」








.







.








「ううん…」

小さく首を振ったA





いいの？

何も…ないの？





A？





「もう、休も？」





裕「え？」





.






.







「休も…？」




裕「あ、うん…」




「ね、」

手を伸ばしたAの指先が俺の手を引く


裕「いい、の？」






「…一緒に休も？」




一緒に…？
ベッドで一緒に？





「なんだか、眠くなっちゃった…」






そ、か
そうなのかな







「ね、」




Aに手を引かれて寝室へ向かう





裕「本当にいいの？聴きたいことないの？」
もう一度聞いた






ガヤとのこととか
俺が君にしたこととか






「いいの…」




「今は…寄り添いたい…」




え？





「裕太の肌を感じたいの…」







？






.






.





それって、どういう…




「思い出したいの、自分でも…」






「自分で…」






.







.









「…貴方の肌を感じたら…」







「思い出せそうな気がするの…」

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