哀しいkiss 4

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裕太side

「玉森さんの腕の中…落ち着く…」




朝もそう言ってくれたね






「あったかい…」



俺だって…そうだよ







コトン

胸との僅かな隙間を埋めるかのようにして
Aが、頭を落とした






「…もう少し、このままでいたい…」






裕「ん…」



俺も…

ずっと、このままでもいいくらいだよ







「…まだ、思い出せないけど…」





え？



「頭では、玉森さんとのこと…思い出せないけど…」







「不思議…」






「身体は覚えてるみたい…」





トクン



トクン




重なり合った身体の中から
心臓の音がリンクしてる





二人が一緒だった時みたいに…







「…ずっと…このままでいたい…」







裕「ほんとだね…」






「ただ、一緒にいられれば…過去も未来もいらない」







裕「A…」



過去も…未来も…いらない？






いや、俺は…

Aとの未来が欲しいよ


未来も、今と一緒…一緒に歩いて行くんだ






その為には…
やっぱり過去を清算しなきゃいけないのかな








「…玉森さん？」



君が、"裕太"って呼んでくれるように







裕「好き…」

そう言って少しだけ、指先に力を込めた






君は、全てを思い出さなきゃいけない


俺が、君にしたこと
君が、ガヤにしたこと
俺たちが、ガヤにしたこと、全て





きっと苦しむだろう
後悔し、また、自責の念に駆られるだろう



それでも
俺たちは乗り越えなきゃいけない



未来のために



俺とA

そして、ガヤの為に

全てを思い出し、乗り越えなきゃいけないんだ

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