哀しいkiss 4

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裕太side


「…ハ…グ…？」






裕「ん……」


あ、

やっぱり早かったかな、このタイミング






裕「や、いや…いい」






裕「無理しなくていい…」




ごめ、

ごめん、俺…






「いい…よ、」





裕「え？」







「…いいよ、ハグ…」


首をかしげて、下から見上げたA
まつ毛が、小さく揺れてる






裕「本当に？」






「…ん、笑」







裕「本当に、ほんと？」






「…笑」







裕「ハグだけだから…うん、それ以上しないから」






裕「大丈夫だから」






「…ふふ…」




目の前で、困ったように立ち尽くしてるA





裕「では…」





裕「ん、行きます」




ロボットみたいにギクシャク動いた腕と指
キコキコ金属音が鳴りそう
あとは…バクバク、心臓は破裂しそう





「…おかえり…」


俺の緊張を解すように、Aが呟いた





一緒に暮らしてた時と同じ
一瞬で、一日の疲れが吹っ飛んで、やな事を
忘れさせてくれるAの…"おかえり"







幸せが返って来た







裕「ただいま…」


愛しい人の身体をゆっくり、自分の身体に引き寄せて包み込んだ

大切なものを壊さないよう、
きつく締め付けないように…優しく…


背中に回した指先をそっと重ねて
その温かさを感じる






裕「ただいま…」


目を閉じて、息を吸い込むと
Aのオーガニックの香りが、胸いっぱいに広がる





Aおかえり…

おかえり、A

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