哀しいkiss 4

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裕太side


「.…、玉森さん…」





裕「出かけてもいいよ…」






「…え、？」





裕太「行きたい所があるなら、行っていい…」





裕「スーパーに買い物に行って、上手い夕飯の材料買ってきてもいいし…、笑」





「…玉森さんったら…」






裕「ただ….仕事に行くのは、今日はやめた方がいい」





「…？」






「…ぁ、」
首筋を押さえた白い指






裕「うん、それに…」






「…？」






裕「ガヤが…」





「…？」





裕「君は暫く店を休む、って連絡したらしい」





「…どうして？」







裕「君を側においておきたかったんだと思う…
二度と君を離したくなかったんだよ…」






裕「君に思い出して欲しくない過去だってあったし…」







「…そう…なんですね…」





あの店が大好きな君が、あそこに行けないのは
辛いよね…



本当は、店長さんだって君を待ってる








裕「少しだけさ…その首筋の痣が消えるまで…」







裕「消えたら、また仕事に行けるよ…」






「…うん…」






裕「さて、俺も仕事行くか…」

立ち上がって皿を重ねた








「…私が…」


？



「私が、やっときます…」





一緒に立ち上がったA…




ふふ





「玉森さん？」




裕「前もそうだった…
二人して家事の取り合いだった…
掃除、洗濯、洗い物…、料理は専らAだったけど…いつも、二人で協力したんだよ…」








「…そう、だったんですね…」








「私たち…幸せだったんですね？」






裕「ん、」


少なくとも、俺は幸せだったよ


だって俺は、君がガヤと付き合う前から
ずっと好きだったんだから



欲しくて、欲しくて
やっと手に入れたんだから



幸せだったに決まってる






でも、君は

ずっと、後悔してた



ずっと…悩んでた



太輔を裏切った事を…









「玉森さん、何が好き？」





え？


好き、ってAに決まってるじゃん






「何を食べたい？」




え、あ

そっちか




残念







「夕飯、何がいいですか？」






笑







裕「何でもいい…」




裕「Aが作ってくれるなら…」



裕「何でもいいよ…」

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