哀しいkiss 4

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裕太side

「…玉森さん…」



いつになったら、裕太って呼んでくれる？
前みたいに、俺の髪を乾かしてくれる？



「……ありがと…」




？


「助けてくれて…ありがとう…」




A





「…今はまだ、何も思い出せないけど…」





「でも…」


？






「不思議…」




？


「凄く落ち着く…」







裕「え…」



「玉森さんの腕の中って…」


「凄く落ち着くの…」






.






.






裕「A……ちゃ、ん…」







「…もう少しだけ…待って…」





裕「？」

何…朝ご飯？






「思い出すまで…、
貴方の事を思い出すまで、待って…」







.







.







裕「焦らなくていいよ…」







思い出して辛い思いをするのはAだ



それでなくても、今日だってガヤに酷いことされただろ？






悪いのは俺なのに

全部俺なのに







裕「焦らなくていい…
俺は、ただこうやってAと居られれば
それでいい…」








水気のなくなった髪が、サラサラと
耳元で揺れる





裕「乾いたよ…」


コトッ
ドライヤーを置くとやっと両手が空く






「…ありがとう…」

立ち上がろうとしたAの肩越しに
指先を胸元に伸ばした







「…？」
ピクンと揺れた肩





裕「何もしないから…ちょっとだけ…」





裕「少しだけ、このままでいさせて…」






裕「俺の腕の中にいて、ね…」




「……玉森…さ、ん…」







.





.






.





裕「おかえり…」




裕「A…」

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