哀しいkiss 4

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裕太side

腕の中に、Aを抱きしめながら
俺は、これからのことを考えていた


Aは、
いつか全ての事を思い出すだろう
自分がガヤにしたこと、されたこと


それを俺はただ、支えるしかない
支えて、苦しみを分かち合い、そして
愛して…二人で生きていく


それしかない







もう一つは、ガヤのこと




ガヤに本当の事を話さなきゃいけない

あの日のこと…
いや、それより前から俺がAに抱いてた想い

ガヤから、無理矢理Aを奪い取ってしまったこと
この半年間、思い続けていたこと


全てを話して、そして謝らなきゃ




.






.





俺は、強くならなきゃいけないんだ




.





.






裕「朝ごはん食べた？」



やっと泣き止んだAに声をかけた





「…ううん…」


ガヤの部屋には
温かな食事の匂いが充満してた

あれは朝食の匂いだったんだよね？
でも…食べれなかったの？




裕「そっか….俺もまだなんだ…」





裕「なんか食べよっか？」





「……」






裕「食べなきゃ、ダメっていつも言ってたくせに、笑」



わざとおどけて見せた




「……」


食欲なんてないよね
わかってる、でも…




裕「食べよ？」




裕「俺が作ったげる、笑」



いざとなるとキスマイの中で、一番強い
そう言われて来た俺

そう、
俺は愛する人のために強くならなきゃいけないんだ






裕「行こ！」



抱きしめていたAを抱き上げて
お姫様抱っこをした





「…玉森…さん、」




裕「ん？」




「…シャワーを…」





裕「え？」





「その前に…シャワーを浴びさせてください」



あ、

全然気づかなかった




それに…

裕「あ、」



Aの身体、髪全てから香ってくるのは
ガヤの香り



いつもナチュラルな自然の香りに包まれてた
Aが、今はガヤの甘ったるい香りを
纏ったままだ






裕「ごめ、気づかなくて…」






「…ううん…」





裕「シャワーしといで、朝ごはん作っておくから、ね？」



出来るだけ明るく、何事もなかったかのように、
そう言って抱き抱えたAをバスルームに運んだ






裕「タオルは…」



裕「はい、これだよ」



Aは、いつも棚の一番下
オーガニックのバスタオル



その言葉にさえも、Aの記憶が戻るよう
祈りを込める






裕「ゆっくりでいいよ…」




バスルームには、危ないものはなかったよな


そう、確認してドアを閉めた

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