【プリンス・オブ・ストライド】『好きだ』の言葉が言えなくて、君の側にずっといたい

第２５話☆°*見えざる思いの後側 ページ26

桜井「不知火さん！」





貴「は…っは…間に、合った？」





桜井「はい！今支倉先輩が走ってます」





堂園「なにその女の子。
まさか、不知火Aさん…かな」





貴「…」





歩「待ってました
来てください。」





桜井「急いでください！」




────────



歩「このままじゃ辿り着けそうにないですね
もっと速く走れますか？」





貴「大丈夫だ…！」





歩「…久我先輩の走り僕は初めて見ます」





貴「そうか」





歩「きっと誰よりも久我先輩は貴女のために走ろうとしてる…! だから貴女に見てもらいたいと思った」





貴「…それは…買い被りすぎだな…」





歩「見えた！あそこから出てきます」





貴「…門脇…お前手が…」





歩「そんなことどうでも良いんですっ…!」





恭介「ハッハッハ…」





貴「…！」





歩「不知火さん？」





走ってる…恭介が走ってる…





あの日、あの時ストライドをやめた恭介が今ここで走ってる
どんなにこれを望んだだろうどんなにこれを願っただろう…





歩「久我センパーイ！走れえええ！！」





恭介「門脇…！」





次の瞬間
周りの歓声なども聴こえない





恭介と目が合ったんだ





恭介「A…か。ふ…いよいよ幻覚でも見るようになったか」





貴「恭介っ…！！」





恭介「！」





貴「勝って…！
勝ってもう一度、私と同じ場所で戦ってほしいっ！」





恭介「A…」





貴「勝たないと、意味ないでしょーが！！！」





獅子原「ハッハッ」





恭介「ああ…。
今日の風は手強いぞ…仲間の思いも乗せているからな」





獅子原「…？」





恭介は笑って片手をあげてくれた





貴「…走れ…恭介…」





歩「はっはっ…はあ…ッ」





貴「門脇大丈夫？」





壇「大丈夫か！？」





貴「…少し無理をさせてしまったみたいです。壇先生」





壇「不知火…」





怒られる…何しに来たんだって…





壇「よく来てくれた」





貴「…！」





壇「うちの弱気な２年に渇をいれて来てくれ」





貴「はい…！」

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