たんぺんしう【VV T】 (ページ7)

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Kn
　腐れ縁のような、でもそれほど仲良くはなくて。
　ただ、いつもセットにされていた。
　一緒にいるのが長ければ長いほど距離がわからなくなって、まるで同性の友だちのようだと思ったことなんて何度もある。
　それがいつしか、自分の知らないことがあると嫉妬するようになり、変に絡むようになってしまった。
　あるとき、友人に付き合っているのかと聞かれたがそんなことはないと否定すると、本当か疑われた。
　どうやら俺は彼女に対して尋常じゃないほど熱い視線を送っていたらしい。
　それを聞かされ思わず目を見開いて、
　「すきなんだ」
　なんて笑えるよね。

Sm
　知り合ってから、気づけば隣にいて居心地がいいと思ってた。
　理由なんて聞かれてもなんとなくとしか言えないようなもので。
　どれだけ難しい話題を振っても返してくれて、話も弾む。
　少しの間会えなくなると言われてなんともないと思っていた。
　ただの友人だと思っていたから。
　会えなくなってから2ヶ月程度経った。
　心のモヤモヤがだんだんひどくなる。
　自分の心に整理をつけることにした。
　そしたら、簡単なことだったのだ。
「好きだ」

Kr
　おちょくってくるから、それにキレるなんていうのはいつもの流れで。
　その時も、同じ流れであいつに対してキレてたら、脱兎の如く逃げていたその身体をくるりと方向転換しこちらに向かってくる。
　その顔は何やら悪いことを思いついた様子でニヤリと笑っていた。
　スタスタと早足で自分のところまで来ると、サッと目元に手が来るもんだから反射的に目を瞑ったら、メガネが取られた。
　目を開くとすぐ近くに顔があって、どくどくと鼓動が早くなる。
「びっくりした？」
　なんて小首を傾げて聞いてくるけど、そんなの気にならなくなった。
「気づいちゃったんだけど」
　そう小声で呟いた。