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大学を卒業して一年経ち社会人として働き始めた自分の元に高校のクラスの同窓会が開かれると手紙が届き、もしかしたらキミにまた会えるかもしれないと淡い期待を抱いた。
なんて馬鹿な期待なのだろうかと自分に対して嘲笑しながら心を弾ませ、準備する。
場所に着くと、やっぱりキミは変わらず太陽のようで。
多くの人に囲まれていた。
キミから自分に気づいたようで、周りにいた人を避けながらこちらに来るのがわかる。
「久しぶり」
話しかけられてなんて返していいのかわからなくなる。
なんでもないように、避けてなんかいなかったのではないかと錯覚するほどに話しかけられる。
カラカラの喉から搾り出すかのように声をだし返事を返す。
『久しぶりだよね』
ありきたりな言葉しか出てこなくて、鼻の奥がツンとする。
「あそこで二人で話さない？」
気を遣われてしまい申し訳なくなる。
うなづき周りの人から距離をとり、話す。
「勘違いだったらごめんなんだけど 俺のこと避けてたよね？」
思わない方向から来た質問に驚き肩を跳ねさせる。
あからさまに避けていたことをやはり気づいていたようだ。
『まあ そうだね』
気まずくて目を逸らす。
「なんでかは聞いてもいい？」
『なんでって……きんときくんあの頃〇〇ちゃんと付き合ってるって、否定してなかったからそうなんだと思って 一緒にいると迷惑かもって』
思わず口に出す。
あの時、自分がどんな思いでキミから離れたと。
「そっか ねえ今付き合ってる人はいるの？」
なんでもないかのように、聞かれる。
なんでそんなことを聞くのか、心底わからない顔をして返事を返す。
『いないけど……なんで』
「嘘に聞こえるかもしれないけど あの頃好きだったんだよAのこと」
考えもしないことを言われて、脳がショートする。
「なのに急に避けられて 周りにはあの子と付き合ってるとか勘違いされるし」
ショートした脳に、澄んだ声で話される。
「あの頃って言ったけど今もなんだけどね」
なんて言った？
今も？
『今も？』
「そう ねえそんな顔ってことは期待してもいい？」
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作者名：トンカチ | 作成日時：2023年8月31日 4時
