夜明けを導く光 3【鬼滅の刃】

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獪岳side

「うわああっ…もう駄目だ！｣

「皆、一旦引け！！間合いを詰めるな！！｣

「グァァ…人間の分際で…黙って喰われとけぇ！｣

なんだこの鬼…十二鬼月でもないのに滅茶苦茶強い

「獪岳！！引けって！！｣

…あぁ、間に合わねぇ

鬼の攻撃が俺を目掛けて飛んできた時、後方から女の声が聞こえた

「下がってください！！｣


光の呼吸 捌ノ型 日暈


「ッ…？！｣

攻撃は全て斬られ、俺は何とか助かった

艶やかな髪、色白で容姿端麗、琥珀色の刀身の日輪刀、雷の派生である光の呼吸…

前に先生(桑島)から伺った特徴と全てが一致した

「…長月、A…｣

五人の隊士がかかっても、手も足も出なかった鬼に立ち向かう小柄な女隊士

今回初めて姿を見たけど、彼女こそが俺の姉弟子なのだと確信した


光の呼吸 弐ノ型 光風霽月


速い…身軽なのに的確な攻撃

鬼の首はすぐに落とされた

「すげぇなあの人！柱か？｣

「いや、釦(ぼたん)が藤色だから違うだろう…でも只者じゃないな｣

確かに先生(桑島)が認めるだけある

でもあの女が雷の呼吸の使い手じゃなくて良かったぜ

あれだけの実力なら間違いなく先生は後継にしただろう

「あれって何の呼吸だ？｣

「雷の派生とかじゃないか？なぁ獪岳｣

「…｣

口々にあの女隊士を褒める奴らに、自分たちはそれで情けなく思わないのかと呆れてくる

「凄いなぁ、あの人...女の子なのにあんなに強くて｣

女にも及ばなくて悔しくないのか？

「…ハッ、雷の呼吸すら使えてねぇのに｣

「は、何言ってんだ？獪岳｣

「いや、自分で呼吸を編み出す事だって凄いだろ？｣

「知ったこっちゃねぇ｣

もういいや、帰ろ

"なんだアイツ偉そうにして"

"自分は壱ノ型も使えない癖にな！"

そんな声が聞こえてくるが、気にせず俺は歩き出した



それから数日後だった

弟弟子の善逸(カス)がこいつらを殴ったと聞いたのは

「チッ…｣

選別で死ぬだろうと思ってたのに、生き残った挙句余計なことまでしやがって

あんなカスと共同で後継…？巫山戯るなよ

まぁいい、俺が先に柱になれば先生も認めてくれるだろ

次期鳴柱は…俺だ

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