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肆-6 ページ6

紙飛行機を外に飛ばして見事に無くしてしまった私は今、新しい紙飛行機を作っている

そこでちょっと気になるのが…無一郎君が、私の手元でなく顔をじっと見つめてきてること

「…」

どうしてかな?何か付いてるかな…?

妙に緊張してしまう

紙飛行機を折り終えて、次は鶴でも作ろうかと他の紙を取った時

「あ、そうだ…Aだ」

私は自分の耳を疑った

「…え」

名前を呼ばれたのは初めてだから、驚きで思考が停止した

でもそれは序盤に過ぎなくて、間もなく更に驚くべきことが起きる

「えっ…え?」

ふわっと温もりに包まれて、一瞬お互いの頬が触れた気がした

服越しでも分かる、思いの外がっちりした体

自分が抱きしめられてると気がついたのは、数秒後の事だった

…えぇっ?!

「…A」

「!な、何?」

再び名前を呼ばれ、心臓が跳ねる

いつもよりも近くで…耳元で発せられたその声は、少し低く聞こえた

「呼んだだけ。忘れないように」

「そ…そっか」

しばらく沈黙が続き、室内は静寂に包まれた

「っ…」

未だに状況が理解できず、私は心の中で叫ぶ

な…なんで抱きしめられてるの?!

どうしちゃったの、無一郎君…?


部屋が静かな分、外の音がよく響いて

廊下からはこちらに向かう足音が聞こえてきた

それでも無一郎君はまだ離してくれない

「ねぇ、誰かがこっちに来て…っ」

「分かってるよ」

「…でも、えっと、その、…」

部屋の前で足音が止まり、高くて綺麗な声がした

「時透君、失礼します。もしかしてAさんもいらっしゃいますか?」

胡蝶さんだ…っ

「い、居ます!」

「…どうぞ」

ドアが開くと、流石に離してくれたけれど

顔の熱は全然冷めない

「あら時透君、顔色が随分良くなってきましたね。このまま順調にいけば明後日には退院できますよ」

胡蝶さんは無一郎君の顔色を確認し、いつもの笑顔でそう言った

「…そうなんですか」

「はい!ところで申し訳ありませんが…Aさんをお借りしてもよろしいでしょうか?」

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みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時

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