検索窓
今日:77 hit、昨日:121 hit、合計:45,868 hit

肆-39 ページ39

単刀直入に言うと、私は無一郎君に接吻された

そっと唇が離れ、綺麗な浅葱色の瞳と視線が合う

「…え」

目を見開いて呆然とする私とは対照的に、いつもと変わらない表情の無一郎君

白昼夢かと思ったけれど、無一郎君の唇に私の口紅がほんのり移ってしまっているのを見て、現実だったのだと確信した

「え?…はっ、…え?!」

私はここ最近で一番、頭が混乱していると思う

"何で?"が延々と頭の中を回る

ただでさえいつもより無一郎君を意識してしまってたところなのに、こんな事…ッ

脳味噌が破裂しそう…!

「な、何で?どうしたのっ…?口紅付いちゃったよ…!」

混乱で目が回りながらも無一郎君の唇をハンカチで拭うと、落ち着いた様子で淡々とこう言われた

「…どんな味がするんだろうと思って」

「?!そんなの、言ってくれたら一つあげるのに…!」

私の食べていた三色団子はまだ最後の一つが残っている

それをあげることくらい別に気にしないのにな…

「それが欲しいなら最初からそう言うよ」

「…?じゃあ、何で…」

「…何でかなぁ…」

既に起きたことだけど、まだ信じられない

無一郎君、そもそもどこでこんなこと覚えてきたんだろう…?

確かに雛鶴さんが前仰ってたように、無一郎君だってお年頃の男の子なんだし、こういう事に興味が出てきてもおかしくは無い

ほんの出来心ってやつなのかな…だとしてもあの無一郎君が…?

もう何か、最初の頃と比べると最近は急に変化が凄すぎて…ッ

あぁ考えれば考えるほど混乱する…!

「あのね!こういう事は、そのっ、人前でする事じゃないからね…!?」

「誰も見てなかったよ」

「だ、だとしても!これは、好きな人と、じゃないと…駄目、なんだよ…」

自分で言いながらも何故か言葉がつっかえる

「そういう決まりでもあるの?」

依然として表情を変えずに言い放つ無一郎君を見て、少しだけ胸が傷んだ

「…っ」

その理由は…そっか

私…少し期待してしまったんだ

肆-40→←肆-38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
602人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 霞柱
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。