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肆-29 ページ29

布団に入ってからどれくらい時間が経っただろう

「…うぅ…」

ぐっすり眠っていたけれど、無一郎君の声で目が覚めた

「…?」

無一郎君はだいぶ(うな)されているみたいだった

大丈夫かな…

「はぁっ…うっ…」

「無一郎君…?」

私は体を起こして上半身だけ無一郎君に近づいた

少し汗をかいているし、呼吸もだいぶ乱れている

もしかして熱があるの…?起こしても大丈夫かな

「…無一郎君」

「…ハッ…ん…ぅう…」

すごく苦しそうに顔を歪ませている

悪い夢を見てるなら、起こした方が良いのかな…?

「無一郎君!」

「ッ…!!」

声をかけて揺さぶると、無一郎君は目を覚ました

「どうしたの?大丈夫?…うわっ!」

突然無一郎君が私の腕を掴んで引き、危うく上に倒れ込みそうになったが寸前で何とか止めた

さすが柱。意味わからないくらい力が強い…

突然だったのもあるけれど、全く抵抗できなかった

「む、無一郎君…どうしたの?」

私の目の前にいる無一郎君は目を見張っていて、窓から漏れている月光を瞳が明るく反射した

あまりに近くて息が顔にかかりそうで、私は思わず息を止めた

「っ…A…君は…」

「うん?」

「…ッ」

私を見つめる無一郎君の目がとても悲しそうで、でも焦っているようにも見えて

なんだか凄く切ない気持ちになった

「大丈夫だよ、無一郎君。大丈夫」

今、無一郎君に何があったのかは分からないけれど、私はとにかく安心させたくてそう言った

「…ごめん」

それから数秒してようやく落ち着いたようで、やっと無一郎君が腕を離した

「怖い夢でも…見てたの?」

無一郎君は何かを思い出そうとした後、再びいつもの表情に戻った

「…えっと…思い出せない…」

「そっか…」

まさか…昔の記憶が関係しているのかもしれない

あれほど魘されていたんだから

夢の中で自身が体験した悲しい過去を断片的に見たのかもしれないな…

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みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時

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