肆-26 ページ26
「う、わっ!!」
鬼を避けて飛ぶと、着地した時に着物で足がもつれ、傍に居た無一郎君が抱き留めて支えてくれた
「あ、ありがと…」
「貴様!!その娘を返せッ!!」
そして、鬼は私たち二人に物凄い勢いで襲いかかろうとした
無一郎君は動かないで、と小さく囁いて片手で私を抱きしめたまま、隠すようにして体勢を低くした
そしてもう一方の手で刀を振り、私のすぐ目の前で鬼の首が胴から離れた
霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り
それは、一瞬の出来事だった
「あ?え…斬られ…?」
重く鈍い音を立てて地面に鬼の首が転がり、ゆっくりと塵になっていく
その様子を見ながら、無一郎君が冷たく言い放った
「…触るな、屑野郎」
「!!」
えぇっ…!
どうしよう、不謹慎かもしれないけど…
か、かっこいい…っ
「あ…ありがとう、無一郎く…」
…なんて考えていたら、不機嫌な顔をした無一郎君に力強く抱きしめられた
「む、無一郎君…?ちょっ、苦し…っ」
「…なんであんなことするわけ」
その声色には静かな怒りが含まれていた
「ご、ごめん」
「僕は理由を聞いてるんだけど。他にも方法はあったんじゃない?」
「…こんな格好じゃ私が鬼の頸を斬るのは難しかっただろうし、血鬼術を出させないために咄嗟に思いついたのがあれで…」
「まぁ…そうだね、僕が毒を喰らったせいでもあるし」
「あ、今は苦しい所とかない?大丈夫?」
「うん、大丈夫」
着物、動きづらかったなぁ…どこもほつれなかったのが不幸中の幸いだけど
今日がたまたまこういう状況だっただけだけど、やっぱり鬼殺隊である限りはずっと隊服を着ておくべきなのかな
雛鶴さんも、まきをさんも、須磨さんも…たまには普通の女の子で居たら?って言ってくださったけれど、少し難しいかも
「君も顔に傷付けすぎ。早く治療してもらわないと」
「うん、そうだね…藤の家紋の家に行こっか」
ということで、私たちは夜の道を歩き出した
「君、日輪刀以外にも色んな武器が使えるんだね。忍者みたいだった」
「あぁ私、元忍である音柱の継子だったから…」
「音柱…あの宇髄って人?猿みたいな…」
「さ、猿?!」
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みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時