肆-17 ページ17
カランと音がして落ちた木刀が回転しながら床を滑っていく
しっかり握ってた木刀が、弾き飛ばされた…?!
「す、すご…」
先程の煉獄さんと比べたらそこまで力強い訳ではないのにこの威力…
最小限の力で無駄なく、素早く剣を振っている感じだ
そう考えると私たちの剣技は何となく似ている気がする
無一郎君の息遣い、足運び…そこから取り入れられそうな要素は多い
「ありがとう、無一郎く…」
「君、もしかして相手が人だから躊躇してるの?」
部屋の隅に落ちた木刀を取っていると、背後から無一郎君が言った
「全力のつもりだけど、上官相手だしやっぱり無意識にそうなってるかも…やっぱり鬼と戦う時とは同じように出来なくて」
「その甘さが命取りになると思うけど」
「…はい…」
やっぱり無一郎君も柱だな、当たり前だけど…こういうことに関しては一切妥協がない
私もちゃんとしなきゃ…
その時、鍛錬場の戸が勢いよく開き、千寿郎君と蜜璃さんが盆に高く盛られた桜餅を持ってきてくれた
「Aちゃん、無一郎君!おやつの桜餅だよ〜!一休みしましょ!」
「うまい!!」
「わぁ、良い香りですね!」
千寿郎君も交えて五人で桜餅を食べながら、私たちは今日の手合わせの反省会をした
「え?筋力の維持の仕方?えっとね...こうグッとやってグイッとすることかな!Aちゃんの筋力に問題はないと私は思うけど、どうして?」
「今日の手合わせを通して…私の課題は、重い攻撃への対処だと思ったんです」
「うまい!!」
「潰されないように腕に力を入れてたら、何度も受けてるうちに腕がもたなくなって…流し続けるのにも限界がありますし」
「う〜ん、そうねぇ…」
「常に力んでてどうするの。刀に当たる瞬間だけ力を入れるんだよ、少し考えればわかると思うけど」
「確かに!私、筋肉の弛緩なんてあまり気にしたこと無かったわ…!」
蜜璃さんの隣で静かにお茶を啜っていた千寿郎君が口を開いた
「今日ずっと思ってたんですが、時透さんの助言は的確ですね。尊敬します」
千寿郎君に言われて、無一郎君はそう、とだけ言った
二人は同じ年頃だし、そのうちお友達になったりしていたらとても微笑ましいなと思った
すると、煉獄さんが桜餅を一通り食べ終えた
「だな!!時透、継子を取ってみるのはどうだ!!」
「遠慮します…すぐ忘れるので」
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みやび(プロフ) - ずっとずっと待ってるので大丈夫ですよ!🎀 (4月14日 22時) (レス) @page50 id: 6d224a7bcb (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されたら皆また読みに戻ってきますよ✨✨ (4月12日 1時) (レス) @page50 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
みやびりじゅ(プロフ) - みやびさん» なかなか更新できておらず申し訳ありません😢読んでくださってありがとうございます! (1月30日 23時) (レス) id: 00121ded6d (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます🥰 (1月24日 0時) (レス) @page47 id: a01fa8ae4e (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - みやびりじゅさん» 仕方ありませんね💦来年の楽しみに取っておきますね!頑張ってください (11月8日 18時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2023年7月9日 21時