125.黒い女性 ページ33
その日の帰り、ミスミは図書館に寄った。
「こんにちはミスミさん、最近は恋愛小説が多めですね」
「えっ…そうですか？//」
「あれか？ひょうたとソルベの…
結局どうなんだ？その後の進展は」
「…まだどちらかには決められません。
むしろ、どうして好きになってくれたのかもわからなくて…」
「ふふ、若いっていいですね。
焦らず、ゆっくりでいいと思いますよ」
「ま、俺たちには関係ないけどな」
ミスミは塔を出ると、何かを見つけた。
近くに行くと、ブレスレットのようだった。
黒い丸いビーズと綺麗な花のビーズが交互に付いている。
「誰か落としたのかな？さっきはなかったし…
まだこの近くに居るかも！」
ミスミはブレスレットを拾って、歩き出した。
すると、見慣れない人が居た。
公園のベンチに座って携帯電話を持っている。
長くて綺麗な黒髪で、肌が透き通るように白かった。
黒いワンピースを着ていて、ハイヒールも黒だった。
もしかして、この人のじゃないかな…このブレスレット。
「あの、これ…あなたのですか？」
その女性は振り向いた。
するとハッとした表情でブレスレットを見た。
「…そう！これ、いつの間に落としていたのね。
拾ってくれてありがとう」
女性は微笑んで言った。
「いえいえ！素敵なブレスレットですね」
「…ありがとう、これは大事なものなの。
本当に感謝するわ、あなたはこの町の子かしら？」
「はい、そうです。
ミスミと言います！」
「そうなのね、ミスミさんね。
私はクロユリ…隣町から旅行に来たの」
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作者名：きょうちゃん | 作成日時：2019年2月28日 1時
