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…で、
 如何してこうなった!?

 先刻のお店での出来事を簡潔に話すと、
 敦君が椅子から落ちる→実は敦君は虎に追われている
 →太宰「それなら都合が善い」→敦君を囮にして虎を捕まえよう!

 という訳で、何処かの倉庫の中なう
 太宰さん曰く、今夜は此処に虎が現れるらしい

 ほんとかなあ

 その太宰さんは、『完全自 殺読本』なるものを読んでらっしゃいます
 敦君と引いています。だって付箋の量が半端じゃないもん

ガサッ
「うわッ」

 敦君が驚く
 恐怖で神経が昂っているのかな
 私もよくあるから、気持ちはよく分かる

「き、きっと奴だ!二人とも、逃げましょう!」
「否、大丈夫、風で物が落ちたのだろう」
『何でそんなに落ち着いて居られるんですか』

 太宰さんは、もう何かわかっているのかな
 店で敦君と話している時、何か考えているような表情をしていた

「却説___そろそろか」

 意味深な発言
 なんだろう、体がぞくぞくする感じがする

「可笑しいと思わないかい?2週間前も、3日前も、君がいる処に虎が出ている」

 月光が敦君を照らす

「…あ…」
「この世には、少なからず異能を持つ者がいる」

 其れって若しかして

「君も『異能』の者だ。現身に飢獣を下ろす月下の異能者__」

グルルルル…

中島敦 異能力名『月下獣』

 敦君が大きな白い虎に変わる

「これは想像以上だな」

 虎が腕を振ると、周りにあった木箱が破片となって宙を舞う

「Aちゃん、少し下がってい給え。危険だ」
『云われなくても下がっています』

 でも、月に照らされる白虎が幻想的で、思わず止まりそうになる

「これは人の首くらいは簡単にへし折れるな___!」

 太宰さんが壁に追いつめられる 危ない

「獣に食われて死ぬという最期も善いが…__君では私を殺せない」

 瞬間、太宰さんの伸ばされた指から水色の文字列が浮かびあがる

太宰治 異能力名『人間失格』

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作品ジャンル:恋愛
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菜種梅雨佐矢花(プロフ) - 公式LINE楽しみにしています。これからもう頑張ってください (2020年10月9日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ(プロフ) - ありがとうございます!明日か明後日には更新しますのでよろしくお願いします!! (2019年8月15日 21時) (レス) id: 2a8d441004 (このIDを非表示/違反報告)
夏色炭酸水(プロフ) - とても面白いです!!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 18時) (レス) id: 4b5d2ae9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユッカ | 作成日時:2019年6月23日 14時

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