【文スト】龍の少女は探偵社に拾われる

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翼を広げて降下している時に波紋が見えた

　良かった、生きてる……！

　そのまま川へ突っ込み、2人を引き上げる

『無茶しないで！！』
「ごめんね、Aちゃん。ありがとう」

　気を失ったままの鏡花ちゃんを背負い、与謝野さんと合流する

「馬鹿！心配したンだよ！」とめっちゃ怒られた。

　探偵社に帰ろうってなったけど、あたしはまだ帰る気にはなれなかった

『あの、少し散歩してから帰ってもいいですか』
「……あんまり遅くなるんじゃあないよ」

　ありがとうございますと背を向ける

「待ちな。連絡手段の1つくらいくらい持っていなくてどうするんだい」

　そう言って与謝野さんが渡してきたのはスマホ。

「全員分の番号は入れてある。何かあれば必ず連絡すること。分かッたかい？」

　……早くない？？え、何時買ってたの？？？

『ありがとうございます』

　既に大体の設定はしてあるようだ
　有難く受け取って、ポケットにしまう

「それじゃあ僕らは先に戻るね！」
『うん。また後でね』

　2人に別れを告げ、川へ向かう



　今日の出来事を考えながらただ黙々と川岸を歩いていたら、既に空が暗くなっていた

『……そろそろ戻るか』

　与謝野さんだけじゃなくて、国木田さんにも怒られそうな気がする(笑)
　報告書とか書くのかな。だったら早く戻った方がいいか

　あ、部屋のこと太宰さんに聞いてない
　やっぱり同じ部屋なのかな
　何か、申し訳ない気がする

　そんなことをずっと考えていたせいで






……ﾁｬｷ






　あたしを狙うものに気が付かなかった


　とても月が綺麗な夜だった

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