検索窓
今日:5 hit、昨日:13 hit、合計:51,913 hit

15. ページ16

「『ああああああああああッ!?』」

 スイッチを押した所為で表示された文字は

「あ、あと5秒!?」

 部屋が吹き飛ぶ、爆風を抑えるには何かかぶせないと
 何か、大きい、面積のある…

「莫迦!」

 太宰さんの声で、今自分が何をしているのか把握する

『…あれ?』

 敦君が爆弾に覆い被さり、あたしは翼を広げている

 あたし、何やってんだろ

ピッ ピッ ピ――

 0.目を強く瞑る


(……?)

 何も起きない

 恐る恐る目を開けると、頭上に3つの影があった

 国木田さん、太宰さん、爆弾魔の青年

『え?』
 何何何何?どゆこと??

「莫迦とは思っていたがこれほどとは」
「彼らは自 殺愛好家の才能があるね」

 なんか、嵌められた気がするの、私だけ?

 爆弾魔の青年に抱き着く人質の少女
 この2人、兄妹なの?
 もう何が何かわかんない……

「小僧、小娘」
『あ、はい』
「恨むなら、太宰か、仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」

「そういうことだよ」
『と、云いますと?』
「つまりこれは、一種の入社試験だね」

 入社試験って、こんなに過酷なものだっけ?

「その通りだ」

 振り向くと、着物の男性が立っていた

福沢諭吉 能力名『人上人不造』

「社長」

「『しゃ、社長!?』」

 え、出張でいないんじゃないの

 社長曰く、
「太宰さんが有能な新人がいるから魂の真贋を試した」
 らしい

 敦君は区の災害指定猛獣だし、あたしも追われている身だから
 保護するか社内で揉めたそう

 なんだ、試験か

『そっか、試験だったんだ。善かった…はは、あはは』

「如何したンだいA。頭のネジが外れたかい?」

 誰も、死ななかった。善かった。
 安心からなのか、笑ってしまう

「で社長…結果は?」



「太宰に一任する」

 と、云うことは

「合格だってさ」

「つ、つまり僕に斡旋する仕事っていうのは…此処の…?」

 え、敦君そんなこと云われてたの

 太宰さんがクスリと笑う


「武装探偵社へようこそ」


 敦君はこんな無茶で物騒な職場は無理といい
 太宰さんは、強制はできないけど敦君の住んでいる
 社員寮の引き払いと食費と電話代と云って脅す

 結果、敦君に選択肢はない

「名前ちゃんも勝手に試験してしまってごめんね
 若し厭だったら」

『そんなことありません!ありがとうございます!』

 これで、少しは気が休まりそうだ

16.→←14.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
138人がお気に入り
設定タグ:文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

菜種梅雨佐矢花(プロフ) - 公式LINE楽しみにしています。これからもう頑張ってください (2020年10月9日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)
ユッカ(プロフ) - ありがとうございます!明日か明後日には更新しますのでよろしくお願いします!! (2019年8月15日 21時) (レス) id: 2a8d441004 (このIDを非表示/違反報告)
夏色炭酸水(プロフ) - とても面白いです!!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 18時) (レス) id: 4b5d2ae9b9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユッカ | 作成日時:2019年6月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。