【文スト】龍の少女は探偵社に拾われる

14. ページ15

「や ややや やめなさーい！親御さんが泣いてるよ！」

「な、何だアンタっ」


　コワイコワイコワイコワイコワイコワイ！
　何であたしがこんな目に！

「ぼ、僕は騒ぎを聞きつけた一般市民ですっ」
『わ、私もそうでしゅっ！』

　うわわあああああ噛んだあああああ最悪うううううう

　太宰さんに「落伍者の演技でもしては如何かな？(ﾆｺ)」って
　云われて此の様よ

　あ、あんな綺麗な笑顔で云われたら、

　ねえ？

「生きていれば好いことあるよ！」
『そうそう！だからさ、き、君も、こんなこと止めよ？ね？』
「誰だか知らないが無責任に云うな！」

　御免なさあああああああい！

「みんな死ねば良いんだ！」

　…今此奴、何て云った？

「ぼ、僕なんて孤児院を追い出されて、行く当ても無くて…」

　敦君が自分の生い立ちを語っている
　ダメ人間の演技上手いなあ。否、あれはもう素かもしれない

「え…？いや、そこまでは…」
「誰が見ても社会のゴミだけど、ヤケにならずに生きているんだ！」

　敦君の目がパニックと必死さでぐるぐる渦巻いてる…
　青年も少女も引いてるよ…

「ね？だから爆弾捨てて、一緒に仕事探そう？」

　うん。今は敦君の方が恐い

『私も、そのほうがいいと思うよ』

　大丈夫。これは演技。あたしはいたって正常。

　なのに

『恨みも妬みも怒りも、みんな持って生きてる。
　どんなに許したくなくても、みんな抑えて生きてんの』

　其れなのに、如何してこんなに熱くなっちゃうんだろ

『みんな死んじゃえって？あたしだって何度考えたか！
　自分も死んじゃえって、何度思ったか！』

　あれ、可笑しいな。止まらない

　誰か、誰か止めて。お願い、止めて

『如何して？！如何してそんな行動しかとれないの？！』

「Aちゃん」

『如何して、如何してよ！答えてよ！ねえ』
「Aちゃん！」

　ふと、我に返る
　今の声、太宰さん？

「国木田君！」

「手帳の頁を消費うからムダ撃ちは厭なんだがな…！」
――独歩吟客――

　国木田さんの異能力…？
　頁が鉄線銃に変わる

「確保っ！」

　其処からはあっという間だった
　国木田さんが青年の顔を蹴って拘束
　爆弾も爆発せず…

トン…

　何かに押されて、前に倒れる

『おわわあああ！』

　ドミノ倒しで前に居た敦君も倒れる

「ぶッ！！」

ピッ

「『ぴ？』」

「「『あ』」」

　…爆弾のスイッチが、入っちゃいました(;´･ω･)

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