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こういう時、卒なくこなす翔ちゃんがうらやましい。
結局、女の子たちと帰ることになって。
「櫻井さんって、彼女とかいるんですか？」
そんな質問に俺が聞き耳を立てていると。
「いないんですよ」
「え？じゃ、私が」
「ダメ！翔ちゃんと付き合うのは俺に許可がいるから！」
俺は翔ちゃんの首に腕を回す。
「雅紀」
翔ちゃんの呆れ声を耳元で聞くけど。
これだけは譲れないから。
翔ちゃんは俺の頭をポンポンと叩き。
「お互いに彼女を見定める、って決めたので。この歳だし、結婚も視野にいれてるんで」
その言葉に痛みを覚える。
俺たち、結婚できないよ。
ぎゅ、っと翔ちゃんを抱きしめてる腕に力を込めた。
「雅紀。いい加減、離れろ」
「だって」
「歩きづらいだろ」
俺は渋々翔ちゃんから離れる。
「相葉くんって、もしかして、甘えん坊？」
「ふだんの相葉くんから想像できない」
「そうなんですか？」
翔ちゃんが聞き返す。
「普段はバリバリに仕事できる人なので」
「昔から雅紀は俺に甘えてたんで。俺がいると安心するんだよな？」
翔ちゃんは俺を見て。
な？って俺に答えを促す。
「俺は、翔ちゃんに甘えてないよ」
俺はやっぱり我慢できなくて。
翔ちゃんの首に腕を回した。
「・・・いや、甘えてるだろ」
女の子たちは、笑ってる。
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作者名：佐音 芽衣 | 作成日時：2013年9月27日 21時
