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「…沖田隊長が、この間頑張ってくれたので」
「……そうか」
成る程な、と。副長は私の言葉に頷きながら納得したご様子であった。私と沖田隊長に回ってくる仕事はいつも貯まりに貯まっていき、最悪副長や局長にに手伝って貰っていたのだが、今はそんなこともなく落ち着いている。そんな奇跡的状況は、私の上司である問題児、沖田隊長が作り出してくれたものだった。
「私が入院してる間、沖田隊長が一人で踏ん張ってくれていたみたいで……私が退院した時には仕事がしっかり片付けられていたんです」
「それで総悟の奴も、やつれてた訳だな」
漸く理由が分かった、と、副長はニヤリと口角を上げている。そう。私が怪我をして入院している間、沖田隊長は私が居ない間、一人で貯まっていた仕事を済ませておいてくれていたのだ。道理で毎日のように来るお見舞いの時に疲れた顔をしていた訳だと、後になって理解した。
そのため今は、仕事に埋もれるようなことはなく落ち着いている。沖田隊長には本当に感謝している。しているのだけれど。
「……まぁ、私が戻ってからは再びサボりに勤しんでいらっしゃいますけどね…」
「……そ、そうか…」
あからさまに肩を落としてそう言うと、副長は顔をひきつらせながら返した。恐らく、私の頭にはキノコがはえていることだろう。始業時間が始まってからというもの、沖田隊長の姿が見当たらない。なので今副長に手渡した資料も私がやったものだった。残念ながら沖田隊長のやる気は長続きしない。
…まぁ、私のために頑張ってくれたことは、分かったけれど。
…でももうすぐこの落ち着いた感じは跡形もなく過ぎ去っていくのだろう。あの部屋が仕事の資料で埋まるのも時間の問題だった。そう思うとちょっと泣きたくなってくる。
「まぁ……そんな感じで…」
「わ、悪いな、なんか…」
「いえ…」
それでは、と、あんまり長居をして副長の邪魔をする訳にはいかないため、そう言って私は副長室から出ていくことにした。「む、無理すんなよ…？」との副長の言葉に苦笑いで返しながら襖を開け、廊下に出る。冷えきった空気が再び私の身体を包み、思わず両手で腕を擦った。
「さっむ…」
「なら、」
あっためてやろーか、と。副長室の襖を閉めて数歩進むと、そんな声が聞こえて次の瞬間には私を包む腕があった。
「お、おき…！！！」
「ほら、こーしてればあったけェだろィ？」
楽しそうにニタリと笑うサボり魔、ここに見参。
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雨散 - 惚れ薬いいいいいいい！！！！ (2019年8月5日 15時) (
レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - うおおおで爆笑しちゃったじゃないですかァ!!息が苦しかったですわぁー。 (2019年2月25日 21時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
月猫(プロフ) - 番外編、最高です！にやけが全く止まりませんww (2017年12月26日 14時) (レス) id: 84e6bcc189 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 番外編だーヾ(´∀｀*)ﾉﾟやったー+.ヽ(≧▽≦)ﾉ.+ 凄い嬉しいです！(心の中で飛び跳ねています笑)まさか番外編が出るなんて…もうドキドキでした！本編も更新頑張って下さい。 (2017年12月11日 23時) (レス) id: 01d5cac8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ゆっくりノワールさん» 何より仕事です(笑)。兎に角彼女は仕事してほしいんです(笑)。多分明日続編出すので、またよろしくお願いします^^ 更新頑張ります！ (2017年12月11日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2017年11月18日 19時
