恋の方程式【ビルド 短編】

誤解【龍我、戦兎】 ページ11

「寒い…」

石動のカフェでパソコンとにらめっこをし仕事をしていたAは
動かしていた手を止める

最近気温もだんだん下がり冷えるようになってきた
飲みかけのココアももう冷めて
冷たくなっていた。
いれなおすかなと思い立ち上がった時

「…？よお、A。来てたのか」


地下につながる小さな部屋から
龍我が現れた

A「あ、龍ちゃん。こんにちは…」

「なにしてたんだ？」と
Aのパソコンを覗きこむ
パソコン画面にはずらりと文字が並びそれを見た龍我は苦笑いした

A「仕事だよ。…あともう少しで終わりなんだけど…なんだか寒くて進まないの…」

龍我「おいおい、大丈夫かよ…んな薄着してっからだろ…風邪ひくぞ」


赤チェックのブランケットを
手に取り龍我はAの肩にかけた

A「ありがと…！は、…くしゅ…」

小さくくしゃみをし
ぶるっと震えるAを見て
龍我はため息をつき後ろから
Aを優しく抱きしめ包み込んだ





A「！龍ちゃん…」

龍我「これで少しは暖かいかよ…？」

A「…うん、暖かい。寝ちゃいそう」

クスリと笑い目を閉じる

龍我「寝ろよ。仕事ばっかりしてたら体調崩すぞ。少しくらい…休め」

A「…じゃあ、お言葉に甘えて。」





…


Aが眠りにつき
すやすやと寝息を立てていた
寝顔を見て龍我は
頭を優しく撫でていると

「おい、万丈」

「？お、戦兎。どうだ、ボトルできたかよ！？」

急に胸倉を掴まれ
龍我は驚いた表情をする

戦兎「まさかお前もAを狙ってたとはな…。まあ、薄々気づいてたけどな」

龍我は「な、なんの話だよ」と言うが
戦兎は「とぼけんな！」と怒鳴った
何が何だかわからず龍我は混乱する

龍我「とぼけてねーよ！！なんの話だよ！」

戦兎「まだしら切るつもりかよ。いい加減白状しろよ。好きなんだろAのこと！！」

龍我「……は？」

まあ、そりゃ…Aのことは好きだが
恋愛感情とか持ってねえな…姉ちゃんみたいな感じがする…。
つーか、やっぱりお前Aのこと好きなんじゃねえか

戦兎「なんとか言えよ！」

龍我「とりあえず落ち着けよ！」

美空「何騒いでるわけ？うるさいんだけどまた喧嘩？」

そこに寝起きで機嫌が悪い美空が現れた

戦兎「…こいつがわるいんだよ」

ふいっとそっぽを向く

龍我「お前…だから違えっつの…」

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