#夢物語の終わり ページ42
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「やっぱり私だけが幸せになったらダメなんだなぁ」
立花彩は囚われの少年に笑いかける
「ねぇそうでしょ?少年」
少年は目元を赤くして彩を睨みつける
「地獄に落ちろ」
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ある暑い夏の日
少年は自分の手を自分の頭にあて、外を見た
「彩」
少年の赤く燃える瞳に雫をうるませる。
「早く戻ってこいよ」
「あいつもそー言ってるよ」と少年は乾いた笑みを浮かべた。
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それは唐突に突きつけられた現実で、分かっていた現実。
そりゃそうだろう。私だってそれは分かっていた。
所詮、”探偵チームKZ”だって中学一年生の遊びの探偵だもの。
”大人”になるまで続くはずない。
元々皆違う道に進む気だった。
私だってそうだ。”童話作家”それが夢だった。
少し考えたら分かるはずだった。
「解散だ」って
そう言われる日がくるのも分かってた。
分かっているのに、目から涙がこぼれるのはなんでだろう。
「アーヤ」
優しい声がした。
「我慢しなくて、いいんだよ?」
優しい瞳で優しい手で私の肩をポンっと優しく叩く。
「我慢なんて、してないよ?」
私は精一杯”微笑む”。
「きっとね、これが正しいんだよ。小塚君。私たちは。これでいいの。」
優しい彼に精一杯の言葉を伝える。
「そうでしょ?ねぇ。」
小塚君は何も言わずただ私の手を掴み、ギュッと握る。
「ねぇ」
かすれる声で言う。
聞こえてるなんて、分かんない声で。
「これが、正しいんだよね?」
.
これは所詮夢物語。
いつか現実へと戻される夢。
いつか皆目覚めちゃうの。
.
「いやだ、本当はいやだよ。」
夢が終わるのは。
皆とばかみたいに笑って、喧嘩して、仲直りして、友達を続けて、事件を解決して。
そんな幸せな夢が終わるのはいやだよ。
ねぇ。
助けてよ。
みんな
.
「我慢するな。立花。」
優しく私の頭に手を置き、静かに彼は言う。
「我慢、するな。」
「…忍は、私のお母さんみたいだね?」
忍はコンっと軽く私の頭を叩く。
「誰が、お前の母だよ。」
忍は笑い、静かに微笑む。
「でもな。立花。泣いて、いいんだからな?」
.
きっとこの夢は。
夢は。
夢は。
私が望んで目覚めた
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*柑橘類*(プロフ) - 101票にしたのは私です(懺悔) (7月3日 19時) (レス) @page43 id: 2787c3e7eb (このIDを非表示/違反報告)
諸星 - めっちゃ面白い!続き見てみたい! (2023年4月5日 21時) (レス) @page43 id: b53e3a470f (このIDを非表示/違反報告)
シエロ(プロフ) - やっぱり何度読んでも面白いですね! (2022年7月3日 19時) (レス) @page41 id: 6fd7c345e5 (このIDを非表示/違反報告)
祀央☆ハピラビ・ラビワドマネ(プロフ) - あめ屋さん» 作者さん!更新楽しみにしていますっ! (2022年5月23日 6時) (レス) @page21 id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)
あめ屋(プロフ) - ルーーなさん» おーけーおーけーです()頑張りますっ! (2022年1月4日 23時) (レス) id: 7f6b79a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*MIRAI*___あめ屋 x他2人 | 作成日時:2020年7月4日 21時