雨が降り私は歌う [KZ]

#夢は終わらない◇番外編 ページ40

.



｢お前のせいだっ!!!｣




夢の中の少年は目に涙を浮かべながら私を見る。




｢お前がいなかったらっ、お前なんかがあいつと仲良くなんてならなかったらっ!｣




綺麗な顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら彼は言う




｢あいつが死ぬことなんてなかったんだよっ!!｣



夢の中の彼はその言葉を繰り返す。



綺麗で整ってる顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら叫び続ける。



そして彼は決まって言うのだ。



｢お前のせいだ｣と。




.



人にはどうしても触れられたくない部分がある。



その出来事の重さは人によって様々だ。



軽い人もいるだろうしその逆も然り。



私もどちらかと言うとあの出来後は重いとしか言いようがないだろう。



私はどうしても忘れられないのだ。



あの少年の憎しみに囚われた瞳を。



その瞳に私の顔が映っていたことも。



未だに私はあの少年の声を聞く度にブルりと背が冷たくなる。



あの少年は良く私の家の前を通っては一度立ち止まりこちらを見ていた。



その少年の瞳には光がなく、やはりにドスグロい何かしない。



そして私が一番心臓が抉り取られるような感覚に陥るのはその少年の横にはもうあの人が”あの人”が居ないということだ。



いつも優しく微笑んでいて、誰よりも幸せそうに音楽を奏でていた、あの人が。



”もうあの人とは会えない”



そう改めて実感させられるような気がして、私は苦しかった。



多分だけど私はその時から”家”から出たいと思っていたのだろう。



結局はそういう自分勝手な理由で私はあの家から飛び出したのだろう。



もうあの人のことを思い出さないように。



もうあの少年の瞳を見なくてもいいように。



多分私は逃げたのだろう。



だけども少年はおってくる。



どこまでも私が生きてる限り、”お前のせいだ”と言い続ける。



彼は悪夢として私の中に囚われ続けるのだろう。



きっとあの人と共に。



今日もきっと私は少年と会う。



生きてる限りはずっと





.





夢の中の少年は私を見るとゆっくりと口を開ける。



｢お前のせいだっ!!｣



私の夢に囚われてる彼はどす黒いその瞳に私を移すと、偉く悲しそうなに瞳で私を睨む。



そんな顔をしないで。



私はゴクリと唾を飲む。



その後に続く言葉をうけとめるために。




｢彩、お前のせいなんだよ｣





.




｢お前を許すつもりはないんだ｣

#囚われの少年◇番外編→←#thirty three

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す