#thirty one ページ37
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『二人もですか……。』
私は背すじが冷えるのを感じた。
いつからだろうか、私は人が怖くなった。
望んでいない。望んでいないのに私の頭は身体は全てが、人を拒んでいるのだ。
後、二人も来ることにどこか恐怖を感じている。
私は直ぐにまた微笑んだ。
『思ったより沢山くるんですね』
私が”怖い”と思ってるのをバレない無い様に笑顔をつくる。
うらたさんはしばらく私の目をじっと穴が空くほど見つめていたけど、やがてニカッと微笑む。
「変わった奴らやけど、良い奴らだぞあいつらは。」
うらたさんはそう言うとため息を付き、どこか遠くを見つめた。
「いいヤツらなんだけど…………うるさいんだよな……常識人がいないっていうか……引きこもりもいるし…………。」
私はクスリと笑う。
『うらたさんはその人たちの事大好きなんですね』
「はぁっ!?」
私の言葉に噛み付くように、うらたさんは顔を少し赤くして、叫ぶ。
手を前に出し横に振り、否定の合図を必死にとりながら「ちっげぇよっ!」と言い続ける。
私はそんなうらたさんが素直に言って羨ましいと感じた。
大好き人がいる、大切なひとがまだいるうらたさんが。
「えっ何、何事???うらたさんが照れてる……えっちょっ貴重な瞬間GETやわ」
少し訛ったそういう言葉が私の耳に入ってきた時はさぞかしまた驚いた。
慌ててドアの方を見ると、スマホをこちらに向けて、驚いた表情をしている少年が立っていた。
うらたさんはその少年を見ると、静かに少年の方へ歩き、無言で少年のスマホを取り上げた。
「ちょっっ!うらたさん何するんすかっ!!俺のスマホ返してっ!お母さんっ!」
「誰がお前のお母さんだっ!!」
アワアワと慌てる少年をうらたさんは怒鳴りつけ、睨みつける。
「バカ坂田」
「あぁ!!うらたさんが悪口言ったっ!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ少年……坂田と呼ばれた彼は、ムスッと拗ねたように頬を膨らませる。
どこか子犬のようだ。彼は。
そう思いながら私は仲が良さげな二人を見つめていると、ふと少年がこちらを見た。
目がバチりとあう。
私は思わず逸らしてしまったけど、少年は「あぁっ!」とこれまた大きな声で私を指だし、叫んだ。
「噂の彩ちゃん発見したっ!」
「坂田うるさいアホ坂田」
すかさずと言っていい程すかさずうらたさんは少年の頭を叩く。
「えっ彼女が彩ちゃん?」
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*柑橘類*(プロフ) - 101票にしたのは私です(懺悔) (7月3日 19時) (レス) @page43 id: 2787c3e7eb (このIDを非表示/違反報告)
諸星 - めっちゃ面白い!続き見てみたい! (2023年4月5日 21時) (レス) @page43 id: b53e3a470f (このIDを非表示/違反報告)
シエロ(プロフ) - やっぱり何度読んでも面白いですね! (2022年7月3日 19時) (レス) @page41 id: 6fd7c345e5 (このIDを非表示/違反報告)
祀央☆ハピラビ・ラビワドマネ(プロフ) - あめ屋さん» 作者さん!更新楽しみにしていますっ! (2022年5月23日 6時) (レス) @page21 id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)
あめ屋(プロフ) - ルーーなさん» おーけーおーけーです()頑張りますっ! (2022年1月4日 23時) (レス) id: 7f6b79a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*MIRAI*___あめ屋 x他2人 | 作成日時:2020年7月4日 21時