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「あ、そうですね…じゃあ私向こうで洗濯物畳むので、気にせずどうぞ」
ふすまで仕切られた隣の部屋に移動してしまえば櫻井さんの姿を見てしまうこともない。
そう思って洗濯物を抱えあげる。
「あの、俺運びますよ？」
「これくらい平気です。いつもやってることなので、家政婦には力持ちが多いんですよ？」
なるべく明るく、冗談めかしてそう言ったら櫻井さんが私の顔を見たままパチパチと目を瞬かせた。
「…まいったな。こんなに簡単にあいつの顔忘れるなんて…いいのか悪いのか…」
「何か言いました？」
「いいえ、ただ、貴女がいてよかったなと思っただけです」
「えっ…」
笑顔とはまた違う。
信じられないほど優しい笑みを櫻井さんが浮かべていた。
大きな目がとろんと優しく細められて私を見つめている。
私は持ち上げた洗濯物をそのままに固まった。
大きな目に絡めとられたみたいにうまく身体が動かない。
「やっぱりそれ、俺が後でやります」
「え、あの櫻井さん…！」
櫻井さんは言うなり私の両手から洗濯物を取り上げてしまった。
「今日の夕飯は何ですか？」
「カレーですけど……」
「じゃあ俺一人でも温めてあとで食べられますね」
「？そうですね…」
洗濯物をソファに戻した櫻井さんは私の方へ向き直った。
「では、今日はもう帰ってください」
「えっ……あの、やっぱり私迷惑でした？」
ちょっと干渉しすぎちゃった？
「違いますよ」
褪せる私の言葉を食い気味で否定した櫻井さんの声はいつもより低かった。
大きな目が私を見下ろしている。
ぬれた、切なげな瞳に捉えられて上手く言葉が出てこない。
さっきまでの優しい表情とはまた違う、どこか艶やかにぬれた瞳。
「これ以上ここに貴女がいたら、俺……今何するかわかりません」
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iCHiKA(プロフ) - shiさん» この度もありがとうございます！二人の距離もやっと変わり始める…といったところですので、お楽しみいただけたら嬉しいです。 (2021年2月28日 22時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんばんは！！翔さん何かありましたね( .. )この後の主人公と翔さんの行方楽しみにしています！！ (2021年2月26日 22時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - shiさん» コメントありがとうございます！驚いてもらえたなら嬉しいです。雨にぬれたSさん想像しながらぜひ続き読んでくださいませ。楽しんでもらえたら光栄です。 (2021年2月24日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - おはようございます！！まさかの帰ってきたにドキドキです！！次回も楽しみにしています(^^) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年1月24日 14時
