その日からの二人 ページ6
その日から神楽とは沢山接点を持つことになった。
友人でも、恋人でも、何でもない。
いや、それ以上の何かが二人の間には生まれていた。
彼女と仲良くなった新八の姉、志村妙。江戸川財閥のお嬢様、徳川そよ。それから、近藤と土方と神楽と自分。この6人でいつも固まっていた。
なぜ嫌いな彼女と仲良く、というか絡んでいるか、というと事の発端は彼女からのメールだった。
【to:クソサド
こんばんはアル。
今日は見苦しい姿見せて悪かったアルな。
ということで私の病気を知っているお前に私から命令があるアル。
私の残りの一年、楽しむのを手伝ってアル。
じゃ、明日ネ。
from:神楽】
【to:クソチャイナ
どーも。
今日は醜い泣き顔をありがとうごぜぇやす。
仕方ねぇから手伝ってやらァ。
ただ、音を上げても俺ァ聞かねぇぜ。
ということでまた明日な。
from:総悟】
男に二言はない、という武士道の元、残念ながら断ることは出来なかった。
普通に勉強して、普通にご飯を食べて、普通に歩いて、普通に走って、普通に喋って、普通に笑っていた彼女は病気なんてものには無縁だと思っていた。
「今日の体育は男子はサッカー、女子は陸上だかんなぁ。無断欠席したやつァ殺るぜィ」
体育の担任は松平片栗虎。通称、松平のとっつぁん。
ざわざわとしながらも背の順に綺麗に並んでいく。
_______________ あれ?
どこにいても分かる桃色の髪が見えない。松平の話も聞かずに一生懸命に彼女を探す。
神楽は、日陰のベンチに座っていた。
そうだ、彼女は病気なのだ。
実際にどんな病状が出るのかは知らないが、日光に当たってはいけない、元気な彼女には耐えられない苦痛。
ぼーっとしているといつの間にかサッカーの試合が始まろうとしていた。
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作者名:なちょ | 作成日時:2018年10月15日 21時