検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:3,312 hit

私を殺してください。 ページ27

つまらなくなり、最後のページまでパラパラとめくる。最後のページに、何かが挟まっていた。
それは、桃色の封筒だった。
宛名はない。



【お前は、とっても意地悪で、ぶっきらぼうで、シスコンで、優しくて、温かい。そんな奴だった。
お前の前から姿を消した時、見つけてくれた。すごく、すごく嬉しかった。でも、死ぬのが怖くて、怖くて泣いたの。お前を失いたくなかった。でも、お前が「一人にしない」って言った時、きっとそうだろうな、と思った。きっとお前なら私がどこに逃げようと、地獄の果てまで行こうと、絶対に見つけ出してくれると思った。だから、強くなれた。現実から逃げなかった。
お前が好き。総悟が好き。
どうせ、死んでしまうなら、大好きな、太陽みたいなあなたに殺されたい。
だから、また、会った時は、
私を殺してください。】



もう一枚、紙が入っていた。



【終わりのない

灰色のコンクリートの壁を見上げる

忘れ去られた空たちは

気づいて欲しいと歌う

舗装された道には潰れた一輪の花

いつからこの世界は

僕らのものになったのだろう

壊して、笑って、泣いて、傷つけて

「あぁ、神はこの星にはいない」

無表情の人々が行き交う交差点

冷たい街中の視線

バカバカしいルール

群れることでしか生きられない僕ら

強制された上下関係

どうせ消えてしまうなら

いっそこの憎らしい世界を道ずれに



僕らを作った神様は

きっと意地悪なんだろう

糸も付けずに僕たちは

この世界に宙ぶらりん

足元に地面が無いまま

それでも僕らは生きていく

「神様が僕らの願いを叶えてくれなかった」

そう言って責任を押し付け合い

擦り付け合い僕らは生きていく

この世界を作ったのは神様でもない

僕ら一人ひとりなのに

君がいない世界で

僕はどうやって息をすればいいのだろう

呼吸の仕方を忘れた僕は

金魚のように生きていく

どうせ憎まれ殺されるなら

大好きなあなたと

だから、

私を殺してください】



沖田は、泣いた。
涙が枯れ果てるまで泣いた。

届いていたのだ。
僕の思いが。
あの日の歌に秘められた全てがここにはのっていた。
あの歌には続きがあったのだ。

もう一度君の声であの歌が聴けたなら。
僕は、ずっとあの場所で待っている。
始まりも、終わりのあの場所で、君の歌を歌って待ってるから。

もし、もう一度君に会えたのなら、僕は真っ先に君を殺しに行くだろう。

終わり←手紙



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖神
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なちょ | 作成日時:2018年10月15日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。