かくしごと ページ14
目を覚ますと、沖田が隣に座っていた。
「悪ぃ……俺、取り乱しちまった」
「ううん」
長い長い沈黙が落ちる。神楽はそれに耐えきれず、指を絡ませモジモジと下を向く。
「なんで、この前銀八の車に乗ってたんでさァ」
沖田が、ハッキリとした口調で言う。
「私、隠してたアルけど、銀ちゃんは私のいとこアル」
「_______________は?いとこ?」
「うん。私のマミーは昔に私と同じ病気でお星様になったアル。パピーは私と兄貴残して仕事三昧。兄貴はグレてヤンキーに。私、ずっと一人だったアル。だから、今では銀ちゃんが親代わりアル」
息を呑む。今まで見てきた数々の笑顔はどんな思いで作ってきたのだろうか。すべて話し終わった彼女には満足したという表情は見えず、まだ暗いままだった。
「何か、俺に隠してんじゃねぇの?」
神楽はハッと顔を上げた。
「俺、頼りねぇかもしんねぇけど、真っ正面からおめェとぶつかり合う勇気くらいはあるから」
しばらく下を向いていたが、神楽は沖田の目を見て言った。
とても、とても小さく、か細い声で。
「寿命が3ヶ月縮まったアル」
燃えるような、熱くて、暑い、夏がやってくる。
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作者名:なちょ | 作成日時:2018年10月15日 21時