【悪役令嬢】私シンデレラの姉なんですけど【ならぬ悪役姉】

あかのおうこくについてしりました ページ37

「赤の王国っていえば、あいつだよな！」

思い出したようにレオが話し出す。


「あー、あの変わり者。」


「「ユマ･･･なんだっけ」」


ノアとレオがシンクロする。ユマ･･･？


「赤の王国って名前読めないよねぇ。まぁおれどの文字も読めないけど〜」


「俺も知ってるぞ！！あの目付き悪くてへんてこな黒髪男！」


ただでさえ変わっている男達なのにそれを上回る皇子がいたとは･･･。チャールズに勝るということはターザンのように奇妙奇天烈摩訶不思議な人なんだろう(謎)


「たしかそいつ本書いてたよーな気がする･･･」


「あ、ほら、ここに。」


ノアが見つけた本の表紙を見せてもらう。


『五つのバガテル遊馬 達(ゆま いたる)』


「そうそう！ユマイタルだ！ヘンテコだよな、これ偽名なんだぜ？」


『へぇ･･･』


この世界では“ペンネーム”たるものが普及していない。


「本名はね･･･ダニエル・デ・フランチェスキって言うはず」


『ふむふむ。』


遊馬達。なんか前世っぽい名前だなぁと思いながらも『五つのバガテル』が気になってしょうがない。短編集らしい、


『吾輩は犬である･･･人間合格･･･』


あれれぇ、どこかで聞いたことあるぞぉ？


「俺らと同い年でこんなことするなんて！すげえよな！」


同い年！？うそ！


『同い年って凄いねー』


「確かなんかの賞貰ってたよね〜」


「「ロナベルトモタンサナ賞！」」


「ヘンテコ！！ロナロナモサモサ賞！？」


アナスタシアは置いといて。ロナロナモサモサ･･･間違った。ロナベルトモタンサナ賞とは文豪がどうしても手にしたいと思うほど名誉な賞。日本でいう、ノーベル文学賞みたいな(適当)


「世界の中の国宝人間の一人とか言われてんだぜ？」


『へぇ･･･』


「ドリゼラって知識偏ってるよね。実は国宝人間3人のこととか知らないんじゃないの？」


『うっ』


ごもっとも。人間国宝が3人だってことも初めて知ったわ！


『知らない･･･ねぇノア、教えて？』


ちょっと口を突き出して可愛い顔をしたら狙った通りノアが得意げに口を開いた。私あざとくなりつつある？


「ひとりはそのダニエル・デ・フランチェスキ。もうひとりは鍛治職人アルバート。そしてもう1人が




、




、



ヴィーナスの化身と言われる少女、アリス・クウォーツ」



『！』



聞きたくなかった。なぜだか、その名前が嫌になった。

ありす・くうぉーつさんはにんげんこくほうでした→←おせっきょうしました

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す