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真壁君は強い人だ。人として尊敬出来る、前を向くための努力を惜しまない人。弱くなんかない。
『弱くなんか無い。少なくとも他人を蹴落としていく里見君より、よっぽど真壁君は強いよ』
里見君の真壁君の胸ぐらを掴む手がゆっくり緩み、そして力なく垂れ下がった。わかってる、本当は分かってるんだ。初めて聞いた弱々しい里見君の声。
｢真壁が俺より強いのも、取り返しのつかないことをしたのもっ……全部知ってた！……なぁ、殴ってくれ、殴ってくれよ｣
｢景山はそんな事望んじゃいない｣
｢北原の事にしたって、口からでまかせでひどいことしたって思ってる…北原が強いのも分かってる。俺がそれを認めたくなかったんだ｣
『里見君……』
｢景山だって言ってたんだ。北原は強くてかっこいいって。私を助けてくれたヒーローなんだって。そんなお前に嫉妬して………殴ってくれて構わない…いや、殴ってくれ｣
私を助けてくれたヒーロー……？私は何も出来なかったのに？一瞬、頭が真っ白になった
｢この悲しみを力に変えてくれ…里見。景山の分まで…！｣
真壁君の言葉に彼はゆっくりと頷いた。俯き、涙を流しながら力強くうなづいた。明日からまた、彼は心を入れ替えて生きていくのだろう。先生の言葉が彼に届いた瞬間だった。
彼は変われた。心を入れ替えられた。ふと思った。私はどうなのだろう。先程の里見君の言葉…澪奈が私の事を強くてかっこいい"ヒーロー"と言ったとそう、言っていたのだ。
私は澪奈のジサツを止められなかった。クラスのイジメなんてこれっぽっちもこたえないし、澪奈を信じてたから私はいつも通り彼女に話しかけて、彼女と共にいた。でも、それ以上の事をしたのか？
「刑事さん。今僕が語ったことはあくまで理想論です。でも…………現実はそんなに甘くない」
先生が繋がったままの携帯の向こうにいる郡司さんに話しかける。そしてゆっくり五十嵐さんと会った時に奪った銃を皆に向けた。皆はそれを見て一斉に教室の端に逃げた。腰が抜けている者もいる。でも私はそこから1歩も動かなかった。
いつも通り。そう、ずっといつも通りだったんだ。いつも通り過ぎた。彼女は悩んでいたのに、苦しんでいたのに、もがいていたのに。私はいつも通り明るく接するのが正解だと、私は変わっちゃいけないと決めつけて、彼女の悩みを聞いてあげれなかった。
もし、あそこで私が悩みを聞いていたなら、そこからの解決に奔走したのなら、未来は変わったかもしれないのに。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年8月20日 18時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎(プロフ) - 初めまして！柊一颯落ちで物凄く嬉しいです！！更新待っています！これからも頑張ってください！！ (2021年2月26日 21時) (レス) id: bdaf0ebad8 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - しろごめさん» ありがとうございます！柊先生オチです(≧ω≦)bこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2019年3月16日 8時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
しろごめ(プロフ) - コメント失礼します！ぶっきー落ちと聞いて見に来ました！笑更新頑張ってください、応援してます！！(*´∀｀*) (2019年3月15日 23時) (レス) id: f6e80c062e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな x他1人 | 作成日時：2019年3月14日 23時
