9･放し飼いの動物園 ページ9
地面とキスしたままのアスタ君を起こすと、口の中が土でいっぱい。吐き出すことを促せば、思っていたより量が多くビビってしまう。その間に彼はまためげずにアジトへ突っ込んで行った
『っちょ?!アスタ君?!』
すると今度は火の玉が炎の間を通り飛んでくる。見事にアスタ君にクリーンヒットしたそれは、彼を吹っ飛ばした後も、勢いが止まらず私の方へ飛んできた
『ギャッ』
ﾔﾐ｢なんつー色気のねぇ声｣
『悪かったですね色気が無くて。あいにくまだ成人してないんですよ』
アジトの方を見れば、何に怒っているのかヤンキー風の人が、可愛い顔の男の子に向かって魔法を放っていた。先程の火の玉の正体はこのヤンキー風の人の魔法らしい。それをひょいひょい笑いながらかわす男の子も只者じゃない
そしてその他にも下着のまま泥酔してるお姉さんに、騒ぎを気にせずお菓子を食べ続ける小さい子、写真を見ながら鼻血を垂らして笑っているかと思いきや、急にキレるお兄さん。何やら煙を口から吐く大きい人
アジトの中はさながら放し飼いされた動物園である
私はその状況にあっけに取られて動けないでいるのに、真面目なアスタは3度目の挨拶の挑戦
ｱｽﾀ｢ハージ村から来ました、アスタです！宜しくお願いしゃァァァァす！｣
そして今回もあっけなく散る
ｱｽﾀ｢俺、魔法帝になりまァァァァす！｣
全く誰も聞いていないのだ。さすがにそれは堪えたようで、固まって動かないアスタ君。私達が居ることなんて認識していないかのように、彼らによるどんちゃん騒ぎは止まらない
すると人の間を縫ってまた火の玉が飛んでくる。私がさっと避けるとまたもやアスタ君に直撃した。流石に可愛そうである
『いつもこうなんですか……？』
ﾌｨﾝﾗﾙ｢……いつもこうなんです……｣
なんと言うかまともな人が一人もいない気がする。どこからとも無く飛んできたワインボトルは、追い討ちのようにアスタ君にぶつかり、アジトの中の物という物が壊れていく
若干引きながらその光景を眺めていると、横でゆらゆらと揺れる魔力を察知する。ヤミ団長だ。ゆっくりと挙げられた腕はそのまま壁を叩き壊した
ﾔﾐ｢お前らものを壊すんじゃねぇ!!｣
ｱｽﾀ｢めっちゃ壊してるぅぅぅぅう!!｣
すると流石にこちらに気づいた団員の皆さん。一瞬の間の後、こちらに全員が走ってくる
｢｢｢｢団長〜!!｣｣｣｣
私達新入団員の事は目に入っていないのか、何なのか。ヤミ団長は面倒くさそうに息を吐いた
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くすさな(プロフ) - kuroさん» 私の中でフィンラル先輩は可愛いとカッコイイを併せ持つ完全体です(笑) (2019年11月19日 3時) (
レス) id: 0a10432dc2 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - うぁぁぁぁぁ!!(〃ω〃)フィンラル先輩かっこよすぎかよ！そして可愛いなー！ (2019年11月17日 20時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - 鈩さん» ありがとうございます(´∀`) (2019年11月16日 20時) (レス) id: 0a10432dc2 (このIDを非表示/違反報告)
鈩 - 好きです！ (2019年11月15日 7時) (レス) id: 4f2f6e9221 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - フィンラル先輩やっぱかっこいいッスよね......... (2019年11月10日 2時) (レス) id: 0a10432dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな | 作成日時：2019年10月31日 1時
