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君がいなくなった街は ページ44

玄師said

夏休み明けサヤはいなくなってしまった。
引越ししたと後から母から聞いた。
理由は教えてくれなかった。

君のいなくなった街は。


玄師「意味なんてないんだ」

そう言って冷たく笑う。
こんな顔、サヤに見せることなんて出来ない。

そんな時に頭に浮かんだのはあの秘密基地だった。
あの秘密基地へ行こう。


玄師「此処に来てもサヤはもういないのに」

2人で過ごしたこの場所は沢山の君との出来事が記されているようだった。

サヤが笑ってくれるのが嬉しくて描いた絵。
サヤがよくクッキーを焼いてそれを保管していた戸棚。
他にも君で溢れていてでも、そこに君がいないのだけが違うんだ。


僕は不意に戸棚を開いた。


玄師「…え?」

すると、最後にサヤが焼いたんだろう。
クッキーとサヤが好きそうな柄の封筒が1枚入っていた。


その封筒には玄師くんへ。とサヤの字で書いてあった。


封筒を開いてトトロの便箋1枚に短くこう書かれていた。



玄師くんへ。

玄師くん、あなたの事が好きです。
また逢えたならそれを伝えてもいいですか?
私が何処かへ行ってしまっても待っていてくれますか?

サヤより

泣きながら書いたのだろうか?
少し滲んだ字がある。


玄師「…僕もサヤの事が…好きだよ…また逢えたならじゃなくて絶対逢おう…ねぇ、ずっと僕は君を探すよ…だからさ、待ってるから…逢いに来てよ…」

読んだ便箋の上に涙が1つずつまた1つずつ落ちる。サヤはやっぱり強い人だった。
色々な感情が溢れ出てくるようだった。
一人で生きていくんだなんて強がっていた自分が馬鹿みたいに思えてくる程に。


暫くその便箋を見て立ち尽くしていると便箋の裏に何か書いてあることに気づいた。


いつか会えるそう信じて

そのひと言だけでもサヤの感情が伝わってくるようだった。
信じると言う言葉は好きじゃないとさやも僕も言っていたけどそれだけは僕も信じていたいと思った。

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Tomo(*´∀`)(プロフ) - 現代に戻ります (2018年5月15日 17時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - そろそろ終盤に差し掛かってきた (2018年5月14日 18時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 打上花火ですね。 (2018年5月13日 12時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 久しぶりです。昨日からまた書き始めました。良かったらコメントお願いします。励みになります。 (2018年5月13日 11時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 打上花火を少し重ねています (2018年3月17日 9時) (レス) id: 13f8a09a65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tomo(*´∀`) | 作成日時:2017年6月8日 18時

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