夜が明けるまで

仕事 ページ8

それをきっかけに
藤ヶ谷さんと私は，時々お店で一緒になると話すようになった。


最近食べて美味しかったものや
藤ヶ谷さんが飼ってる犬の話
私の職場の変な人の話


他愛のない話ばかり


でも，それがちょうどよくって楽しい。


藤ヶ谷さんも楽しそうに話してくれる。
考え事をしている時の強い眼差しの横顔もキレイだけど
柔らかい雰囲気になる笑顔の方が彼には似合うと思う。


「そういえば…今更だけど，Aさんお仕事は？？」

「わたし？普通に会社に勤めてるよ？藤ヶ谷さんは？」

「え！俺ですか。。。？」

彼は知らないの？って表情をする。



「あ！ちょっと待って下さい！何だろ〜、、、当てたいなぁ。
絶対会社勤めじゃないのはわかるんです！
いやー、、、きっとオシャレなお仕事してそう。。。」


うーん…アパレル？デザイン系？美容師？

このいつもオシャレな格好と雰囲気は…
意外なところでネイリストさん？

あ，それは私の担当ネイリストさんか。


私があれこれ考えてるのを見て，藤ヶ谷さんはおかしそうに笑う。


「あはは！！
Aさん，めっちゃ考えてますね(笑)
きっと…もしかしたら，なかなか当たらないかもしれないね。

じゃぁー，ヒント出しますね。

うーん，結構時間は不規則で，たまに雑誌に関わったり，テレビの関係のお仕事もしてます。」


「え！そうなんですか？！あ。スタイリストさん？」


藤ヶ谷さんは笑いながら，
もういい！いい！って手を振り
「あはは！じゃ，そーゆーことにしときます(笑)」って。


なんかはぐらかされたー。


「絶対違うでしょ？そのリアクション！」

私が怪しいって顔をしたら，
藤ヶ谷さんもいたずらっぽく片目をつぶり
「ひみつ〜(笑)」
と人差し指を口元に当てた。

「まぁ…ちょっと変わった職業です。」

「へぇー。。。何かテレビとか雑誌とかそーゆー業界のお仕事なんですね。」

「うんうん。そんなところです。」

彼は楽しそうに頷く。

ちょうど藤ヶ谷さんの携帯が鳴って，彼は席を立って行った。

彼の仕事→←今日はいい夜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す