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止まっていた足をまた進めて、今度は生徒たちの周囲を観察する。
ここまでで意識のある人は見当たらなかった。皆時間が止まり、一ミリたりとも動く気配はない。
“ふと”、否、そんな生易しいものではない。考えれば考えるほど、今思ったことがどれほどおぞましい事か理解できる。今、“ぞっ”とすることに気がついてしまった。
｢────……｣
｢……お姉さん？｣
思えば、今までどうしてこれに気が付かなかったのか不思議なくらいである。ただそこにいるのが当たり前で、原作の中では語られなかった、“登場しなかった人物”なのだと思っていた。
だが、私はそれを確認すらしていない。原作が手元にあるというのに、私は彼女たち────アリア、テク、そしてシェルの3人の存在を肯定していた。『この世界に存在しているのは当たり前だ』と。『私だけがこの世界にとっての異物だ』と。
｢────…………確かめなきゃ……｣
｢え？｣
アラジンの横を一直線に駆け抜けていき、扉を開けようと必死に力強くふんじばってもびくともしない。
｢なんでっ……いい加減動いてよ！ 誰が止めてんだか知らないけど、アンタが今止めてる時間は皆にとっては貴重な時間なの！ ねえ、開けて！ お願い!!｣
｢お姉さん、左に避けて！｣
その一言で一瞬我に返り、扉を叩く手を止め、言われた通り左に身を傾ける。刹那、彼の杖から赤色の光線が繰り出され、それは扉に直撃した。
｢くっ……｣
しかし案の定扉が壊れることはなく。ただその場に傷一つ付いていない扉が佇んでいた。
早く確かめなければならない。今すぐに彼女たちがこの世界の住人か確認しなければならない。あんなにいつも身近に居たからこそ。この目で。
｢──……っ｣
時間を止めている者に対し、Aの憤りは既に頂点まで達していた。逸る気持ちをそのままに、制服のポケットから簪を取り出し、扉に突き立てた。
｢ゾルフ!!!｣
瞬間、光る鳥たちは一斉に簪の先に集まっては弾けた。しかしやはり扉は壊れぬまま。擦り傷すら皆無だ。
｢このっ……さっさと────開け！｣
今度は扉に両手を付け、掌にルフを集中させた。
Aの背後で未だ固まったままのアリアに視線を遣る。
(……きっと、暴いてみせるから)
────貴女が、アリアが、“異変”に関係していないということを。私が、証明してみせるから。
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紅妃(プロフ) - 睦月サイハさん» コメント有難う御座います！ここのところ更新してなくて本当に申し訳ありません。わたくしめには勿体ないお言葉を頂けて、本当に嬉しい限りです。そろそろ話が進むので、気長に待っていただければ幸いです！ (2017年10月12日 0時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
睦月サイハ - あの、更新頑張ってください！とても面白いし、続きが気になります！ゆっくりで良いので頑張ってください！応援しています！ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 78af19d42e (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆみさん» 最新話の感想コメント有難う御座います！やっと今まで書きたいところを書けたので、読者様にもそう言っていただけてとても嬉しい限りです！みんなが無事でいられることを私も祈ります… (2017年7月8日 16時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - シェルの正体は何者でしょうか 続き気になります 何かたくらんでいるのはあきらか みんな気をつけて (2017年7月8日 13時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆきさん» 感想コメ有難う御座います!そう言っていただけるなんて光栄です、頑張ります!!；；；； (2017年5月25日 8時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2016年12月6日 1時
