わたし、この力でみんなを守りたいの！

早速お仕事ですか！？ ページ6

未優side

まじか……。

わたしは修也の転校とマサカの隣の席という事実に、気分がふさぐ。

みんなを守りたいとは言ったけど、昨日の初対面、なんかすごい振り回されたからなぁ……。

なぁんてモンモンとしてるうちに、あっという間に昼休みになってしまった。

「未優、一緒に食べよ！」

親友のAが、お弁当を持ってやってきた。

「うん」

彼女の笑顔に、救われた思いがした、――けど。

「きゃぁぁぁぁぁっ！」

外から女の子たちの悲鳴！

なっ、なに！？

ギョッとして顔を見合わせるわたしとA。


「未優！」


隣の席の修也が、ガタッとイスを跳ねのけて立ち上がり、大声でわたしを呼んだ。

その瞳の色を見て、もしかしてって思った。

修也が昨日言ってた「まほう」を、わたしがやる時！？

きっと、そのまほうでみんなを助けなきゃいけないんだ！

彼の大声で、みんながわたしと修也に注目したけど、今はそれどころじゃないよっ。

一刻も早く助けに行かなきゃ！

既に走り出してた彼を、慌てて追いかけるわたしに、Aを含むみんなが戸惑いの目を向ける。

「ちょっ、未優！どこ行くの！？」

「ごめん、A！わたしはいいから、お弁当先に食べてて！」

わたしはそれだけ言い残し、教室から飛び出した。

走るのが遅いから、なかなか修也に追いつけない。

ぜえぜえ息を切らして足を必死に動かしてたら、廊下の先、昇降口のほうに、やたらとスラッとした立ち姿の男の子が見えた。

――修也だ！

やっと追いついたよっ。

「ねっ、ねえ、修也っ。さっきの悲鳴ってやっぱり、」

「ああ。おそらく敵が現れた。やつらの気配を感じたんだ。襲われてるヤツがいても、おかしくねーぞ！」

息を切らしながらのわたしの言葉を継いだ修也。

同じようにわたしの隣を走ってる彼は、ピリピリと殺気みたいなものを放(はな)ってる。

う、うそっ。

みんなが、そんなワケのわからない敵なんかに襲われるなんて、やだよ！

早く、まほうを使えるわたしが助けないと！

お願い、無事でいてって祈りながら、わたしは必死に動かしてる足を、さらに速くする。

そして――、

「な……なに、コレ……」

あまりにも衝撃を受けて、口から言葉がもれちゃった。

そのくらい、ひどい有り様になってる――中庭。

しかもそこには、おっそろしい顔の赤鬼までいる。

全長10メートルはある、巨人、ならぬ、巨鬼だよ……！

同→←大好物のイケメン転校生！

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