輝くダイヤと優しい日々

Valentine's-Day F ページ8

言い出したら聞かないタイプだから、

名前はトラで決まりだな。


まぁ、和風でレトロな感じで良いかもね。


部屋へ帰れば、子猫はダンボールの中のひざ掛けの中へ潜り込んで眠っていた。


木登りして疲れたんだな。


まずトイレを設置して、

ペットタワーも組み立てた。

これは北山が目を輝かせて購入したもの。


猫缶を食品ストック棚に収めた。


「間違って食べるなよ。」


北「食べねーよ。」


なんて冗談言いながら、

新しいルームメイトを迎える準備を楽しんだ。


・


北「ごめんな、ちゃんと用意出来なくて。」


全部終わると、珍しく気弱な言葉。

北山がバレンタイン気にしてたってのも、

かなりのサプライズだったし♪


「北山らしくていいんじゃない？

このサプライズ、楽しかったし。」


しょげ気味な北山が可愛くて、

顔を覗き込み、

軽く唇を重ねた。


冷蔵庫からワインを出し、

「飲みながら、一緒に用意しよ。」


北「いや、あのもうちょい…」


「ダーメ、俺、腹減ったもん。」


すーぐ、変な方向に脱線するからなぁ、

困ったもんだ。


それでも、

炊飯器にローストビーフが出来上がっていて、

それには流石に「すげっ」と声を上げた。


聞けば、渉から素人でも簡単に作れる方法を聞いたそうで、
それを薄く切って、サラダに盛り付けた。


北「あとは、お前の大好きなフルーツな。」


苺、リンゴ、キウイ、あとは柑橘系のものが、

何種類かあって、それぞれカットして、

お皿に綺麗に盛り付けた。


なんだか、全部が俺向きで、

気恥しくなった。


北「あとはこれ！」


一緒にキッチンに立った時、

オーブンをスタートさせていて、

それがさっき完了のアラームを鳴らしていた。


ミトンを付け中から出してきたのは、

大きめのグラタン皿。


北「特大ハンバーグドリア！」


「おおーっ。」


なるほど、メインはこれだったのか。


北「あー腹減った！食うか！」


ﾌﾟﾌﾟｯ

こんなんじゃ、

バレンタインのムードって感じじゃないな。


楽しいからいいけど♪


こうして、

俺達の豪華なバレンタインディナーが

漸く始まった。


ミー、ミー、ミー。


北藤「えっ？」


まだ始められないみたいです。


・


end

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