なんか色々と無理なんで家出しようと思います

家出計画8 ページ10

中也side


中也は不機嫌であった。

理由は先日ある奴によって彼の帽子に妙竹林な触角が付けられたことが原因である。

「思い出しただけでイラついてきやがる」

犯人の目星はついている。

あいつに似たにやけ面が頭をよぎりさらに怒りがわいた。


『ひぃまぁ〜〜』

どこからか間抜けた女の声が聞こえてきた。

腰くらいまである黒い篷髪に、黒いダッフルコートを着た女だ。

俺のイライラの元凶で、クソッタレな相棒の妹である、太宰Aが。


『そんなに暇なら俺が遊んでやろうかァ、A・・・』

一言文句でも言ってやろうとAの前に立ち塞がった。

Aは一度こちらを見たうえで気にせず俺の横を通りすぎようとしたがそれを阻止する。

そんなAの態度にさらに不機嫌になる。


「おい！、スルーしようとするんじゃねェ！！」


何、当然のようにスルーしようとしてんだ！こいつ！

Aは観念したように立ち止まり、腹立つ笑顔で嫌味を言った。


『何だ居たの中也、ちっこいから気づかなかったよ』


「ああァ！んだとぉ、俺とてめェは五センチしか違わねぇだろうが！！」


『いやぁ、五センチもでしょ？年下の女の子に身長抜かれるってどんな気持ち？』


「ああァ！？」

クソッ、苛つく！

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