151話 ページ24
『……………ん』
しばらくして安心したように頷くと、そのままゆっくりと目を閉じた。
腕の中で微かに感じる命がたまらなく愛おしく感じて、ゾムは意図せずドキドキと胸が高鳴るのを感じた。
「……！？」
ど、ドキドキ！？と、自分で思ったことに驚くゾム。
これは余談だが、実はまさにこの時がゾムがAに恋に落ちたことを自覚した瞬間だった。……まさかこの時は、将来ゴリ押してAと一緒に風呂に入ることになるなんて予想もついていなかったが。
「…あれれぇ？ゾムさん顔真っ赤ですがぁ？」
「はぁ！？なんやシャオロン」
いち早く気がついて煽りに回るシャオロン。
応戦しようと力の入らない体で精一杯睨むゾム。
「ひ、ひとまずその……Aさんが倒れた原因とかを聞きたいんですが」
「あぁ？おもんねえなエーミールゥ」
「…しゃーねぇな」
戦いのゴングが鳴る前に、エーミールが止めに入った。
「で、原因はなんだったんだ？」
「……実はな……」
原因究明係の4人を代表して、ロボロが口を開いた。
雑面越しに語られる内容は、先程の日記と人物ノートを合わせてわかったもの。
「…つまり、一部の部下にコイツ疎まれとったんやな。それで酷い仕打ち受けて、そんで……」
そう言い終わり、俯くロボロを見て医務室の空気が重くなる。
オスマンは、今Aが寝ていて本当に良かったと思った。
(Aは場に流され易くもあるから、起きとったら多分怖がったやろな…)
『zzz……』
先程よりずっと安心した顔で寝息を立てるAを見て、一方的にAを疎んじて好き勝手した顔も知らない其奴に沸々と怒りが湧く。
「……まぁ、やることは分かるよな。」
静かな怒気を孕んだその声に、一同は無言で頷いた。
「えぇっと…チャイルだったか？日記の様子を見るに其奴が主犯らしいな。先ずは其奴への尋問から始めるか」
「全く、なんやチャイルって。chairの綴りの語呂合わせかよ」
「あ、俺それやっとったわ」
理不尽に名前をディスるその発言で、ようやく怒りだけでない感情が医務室に生まれる。
そして、チーノが軽くなった空気に安堵するように息を吐き出した。
「チャイル…って人はたしかコネシマさんの部隊の兵ですよね？もしかしてご存知です？」
「いやいやいや、三軍兵やで？流石のシッマも覚えとる訳…」
「あー！知っとるわ其奴」
「……ふぁっ！？」
アイツやなぁうん！と腕組みをして頷くコネシマに驚く大先生。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
774号（現在稼働中）(プロフ) - Nebelさん» もちろんです！掲載は遅くなってしまうかもしれませんが……ですが、リクエストを頂けるの、本当に嬉しいんです！いつもありがとうございます！！ (2022年8月19日 8時) (
レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - マロンさん» ぁ、コメント欄に天使様が……！(跪く)今日中には1話更新できると思うのでどうかお待ちください…！ (2022年8月19日 8時) (レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)
Nebel(プロフ) - ！？ 2つともリクエスト書いてくださるんですか！？本当にありがとうございます!！本当に4回目にもかかわらずリクエスト聞いてくださってありがとうございます！! (2022年8月19日 2時) (レス) @page40 id: ad724ae68b (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - リクエストを受けてくださるだけでありがたいです！いくらでも待ちますので、無理せず書いてくださいね (2022年8月19日 1時) (レス) @page40 id: 3bf4e7811a (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - Nebelさん» 4回目!!!感涙です!!!もちろん、お受け致します!!!せっかくなので2つとも書いてしまいますね。マロン様のリクエストを書き終わったら直ぐ取り掛からせていただきます!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: 982b5437b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：774号（現在稼働中） | 作者ホームページ：os復活！！うおぉおおおおおおおおおおおお！！！！
作成日時：2022年6月26日 21時
