CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ ページ43
「Aちゃん、大丈夫？」
裁判場を出る時、そう言ってマンちゃんが駆け寄ってきた。
超高校級の教祖と呼ばれるだけあって、私はただのか弱い女の子ではない。
それでもマンちゃんが心配してしまうくらいに、私は自分には分からない疲れを伴っているようだ。
「ごめんねマンちゃん、皆も疲れてるのに…」
「ううん、Aちゃんは俺らよりずっと頭使うてるし」
「ほんまは俺らが嫌われ役を買って出るべきやのに、ごめんな」とマンちゃんは逆に私に謝った。
マンちゃんの言う通り、きっと私はトントンくんにも大先生にも嫌われただろう。
そして彼らは私に憎悪の念を抱いたまま死んでいったに違いない。
「私、どうしたら二人を助けられたのかな」
私の言う二人とは、処刑されたトントンくんと大先生のことだ。
「……」
「自分の命が一番で、いつかマンちゃんのことも見捨ててしまう気がする」
何か言おうと口を開きかけたマンちゃんの言葉を遮るように続けた。
優しい彼のことだ、きっと「君は彼らを見捨てたわけじゃない」なんてことを言うつもりだったのだろう。
生憎たった四人の命も救えない教祖に、同情で出来た言葉は響かない。
「…別に、いいと思う」
「えっ」
突然マンちゃんは真剣な顔でそんな可笑しなことを言い出した。
まさかそんな返しをされるとは思わず、私は変な声が出る。
「一番大切なものを最優先するのは当たり前やし、Aちゃんはそれが自分の命だったってだけやろ？誰だって普通そう」
マンちゃんは指を折りながら「裁判に勝とうとしたトントンやひとらんも、殺されそうになって逃げたシャオロンや大先生もや」と付け加えた。
「俺も、一番大切なものは失いたくない」
「マンちゃんの一番大切なものって？」
「Aちゃん」
そこは自分の命じゃないのかと驚いた反面、マンちゃんの意図が分からなくなった。
それは友達としてなのか、それともまた別の…
少なからず、私を励ますためだけにそんな冗談を思いつくような人じゃない。
「Aちゃんは自分にとっても俺にとっても、一番大切や。だからAちゃんは、自分の命を一番大切に出来ればそれでいい」
「だからAちゃんは、ひとらんの…死んだ彼奴らのことで悩まんで」と言った。
それに私が頷くと、マンちゃんは私に笑顔を見せる。
こんな状況にいても、彼の笑顔は自然と私に落ち着きを取り戻させた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ｰ｀;) (2019年9月23日 12時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます！私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります！有難うございます！ (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
閑 - はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ！両方推しだったなんて！！今後名前だけでも沢山出します！！これからも閲覧お願いします！コメント有難うございます！ (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
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