青春とは限らない放課後10 ページ22
「この学校は一度改装されたらしいから、その空き教室があるところに元々トイレがあったのかもしれないし…私も詳しいことは知らないよ」
「当てにしない方がいいかも」と念の為付け足すが、ゾムくんには全く聞こえていないようだ。
「これは、俺に花子を見つけろと言う神からのお告げか…」
「……」
何やら訳の分からないことを呟いているゾムくんに、私は嫌な予感しか感じない。
早くこの場から離れた方がいい気がしたが、私が席を立つより先に、私の手はゾムくんに固く握られた。
「そうと分かれば、早速夜探しに来るしかないな！」
「…え、夜？」
思わず聞き返すと、ゾムくんは深く頷いて続けた。
「霊は昼間にも存在しとるが、夜の方が姿を現しやすい！Aちゃんに付き纏ってた集合体の霊も、いつも暗くなってから現れてたはずや」
「確かにそうかもしれないけど…でも完全下校の時間になったら鍵閉まっちゃうし、夜まで残るのは無理だと思うよ？」
そう言うと、ゾムくんはニヤッと笑って私を見た。
「…そういう時のために、Aちゃんがおるんやろ？」
「え''っ…」
「ってことで合鍵作って〜！お願い、生徒会長」
語尾にハートが付いていそうな喋り方をするゾムくんに、私は寒気を感じ、自身の腕を摩った。
…ご丁寧にウインクまで付け足して。
そんな私の態度に、流石のゾムくんも「おい、あからさまに引くなよ」と真顔に戻る。
「一生のお願いだから…！」
「こんなところで一生のお願い使われても…合鍵勝手に作って、その上不法侵入なんて犯罪だよ？」
「大丈夫大丈夫！バレなきゃ犯罪じゃないから！」
「な？な？」とサービスなのか、ウインクを繰り返すゾムくん。
…別にゾムくんのウインクが見たいわけじゃないんだけど。
「……バレたら、全部ゾムくんのせいにするからね」
「全然オッケー！ありがとう、Aちゃん！」
ゾムくんは嬉しそうに、握ったままの私の手をぶんぶんと激しく振った。
とは言え、合鍵も今日すぐには用意できない。
「早くても明日」と言うと、ゾムくんは「いつまでも待つよ」と決め顔をしながら言った。
…ゾムくんの勢いに流されて引き受けてしまったが、大丈夫だろうか。
空の丼が乗ったトレーを片付けに行ったゾムくんの背中を眺めながら、今更不安が募り始めた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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