CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ49
「おはようございまーす、俺が最後ですか?」
先に食べ始めていたエーミールくんと私が朝食を食べ終わる頃、ようやくゾムくんがショッピくんを連れて帰ってきた。
「おはようショッピくん。ごめんね、私たち先に食べ始めちゃった」
「大丈夫、俺らもすぐ食うから」
ゾムくんは「な!」と、ショッピくんの肩を掴む。
少食で、食べるのもあまり早くないショッピくんは明らかに嫌そうな顔をしているが、ゾムくんは気にせず彼を席に着かせた。
「……三人共、起きるの早過ぎません?年取ると朝が早くなるってマジなんすね」
「おいこら」
「エーミールはともかく、俺とAちゃんとは一歳しか違わへんやろが」
ショッピくんの一言に、掴みかかる勢いで反応するエーミールくんとゾムくん。
しかしゾムくんの余計な言葉に、エーミールくんは「てか‘‘ともかく’’って何やねん」と続けて笑った。
「今日は探索するから、気合入ってるんだよ」
「…そーゆうもんですか?」
あまりピンと来ないようで、ショッピくんは顔を顰めたままサラダを頬張る。
するとショッピくんの皿を覗き見たゾムくんが、私とエーミールくんの方を見て話し出した。
「何だったら、二人はもう探索行ってええで?俺らももうすぐ食べ終わるし」
そう言われ、私とエーミールくんは顔を見合わせる。
確かに、四人で固まって行動する訳ではないし、ゾムくんとショッピくんが食べ終わるのをじっと待つ必要はない。
「資料室で情報集めるのも、時間かかるやろ?」
「それもそうだね…」
時間がかかるなら、早く探索を始めた方がいいに決まっている。
私は探索に行くつもりでエーミールくんに同意を求めると、彼も「じゃあ先に行っとくか」と立ち上がった。
そのまま食堂を出て行こうとする彼に、私も慌ててついていく。
「っあ!二人共食べ終わった後は…」
「分かってるって、食器は水につけるんやろ」
今まで私の食事当番から食器洗いまで手伝ってくれていたゾムくんは、私の言葉を遮りながらそう言った。
…欲を言えばそのまま洗ってほしいのだが、彼らも探索があるため流石に無理だろう。
私は「そう!お願いします!」とだけ言い残して、エーミールくんの後を追いかけた。
CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独→←CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独
299人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 廻りさん» 生存予想で意外だと言って頂けるときが一番楽しいです…!!終盤に近付いてきて、生き残り枠も透けてきた感じがしますね!なんだそのif面白そうですね…!?もう沢山妄想してください、その言葉だけでご飯が進みます^ ^ありがとうございます!頑張ります!! (2020年9月27日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
廻り - ifみたいになっちゃいますがゲームのループ物みたいに夢主ちゃんが生存に導いたりするのも楽しそうですよね……物語読みつつそんな妄想が膨らんでいく私であります。それも含めて今最高の気分で9パート全て見終わってきました……これからも頑張って!!! (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
廻り - いつも楽しく読んでます!!生存予想とても楽しいです。主戦力が残ってますね…!でもまさかあそこでホビットが…脱出したりするのに必要になりそうだな、とか思ったりしたのですが、とても意外な人でした、楽しい。生存キャラ残り少ないですがもっと続いて欲しい…… (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - ダリアさん» 読んで頂きありがとうございます!!オシオキは序盤に全員分決めたまま設定を変えていないので、好きと言って頂けて嬉しいです…!!本当にのろのろ更新ですみません!頑張ります!! (2020年9月21日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 読ませて頂きました!オシオキめっちゃ好きです。メンバーにぴったりで続きが気になります…!わたうさ様のペースで頑張ってください。 (2020年9月21日 15時) (レス) id: 39bf6c1775 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ